ずっと雨が続いていて、屋内でジャズをかけたりすると最高なのですが、日本の梅雨時のように続いている上、四月も五月も肌寒いくらいの気温のまま上がらないので、いい加減滅入ります。
熱いカフェやお茶でのんびりするにはいい気温ですけどね。 この日の午後の紅茶のお供はラングドシャ (猫の舌) と残っていたシガレット。 食べながらいつも考える、、、 実際の猫の舌は、もっと、どちらかと言うと、和菓子の花びら餅の極小版、が近いかな。 以前は乾燥していたパリも、年々雨が多くなって湿度は高くなっている気がします。 #
by 40ansparis
| 2016-05-25 01:04
| 家でお茶・おやつ
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復活祭商戦の辺り、黒澤明監督のオマージュ上映が続いていました。
繁忙期だった為、休みの日に行けた二本と復活祭が終わった後ギリギリに観れた一本の合計三本だけでしたが、観てあらためて黒澤明監督の映画の凄さを思い知りました。 クロサワと言えば、映画の好きなフランス人にとっても、フェリーニ等と同じく映画の巨匠です。 が、黒澤映画の主役の常連、三船敏郎もミフネ、ミフネ、、、と観に来ているフランス人が話しているのが聞こえるほど知られています。 フランスに住んでいると、日本を見る時、日本人でありながら半分外国人の目になっている自分がいます。 久しぶりに黒澤映画を観て、何に感動したか、というと、もちろん二時間以上の長い映画でも時間を忘れてしまうほど魅力的なストーリー構成もそうですが、今回は何故か、三船敏郎の存在感のオーラに感動したのです。 黒澤映画には、三船敏郎の他にも今では大俳優となっている名優が沢山出演しているのですが、三船敏郎は他の俳優と格段に違う、厚い胸板のヨーロッパ人の様な体格と力強い目力、圧倒的な存在感でスクリーンの中でオーラが出まくります。 ああ、だからヨーロッパの人達にも人気があるのね、、と納得しました。 "天国と地獄" "悪い奴ほどよく眠る"は私の黒澤映画の中のベストなのですが、、これもまだ駆け出しの若い山崎努が犯人の学生役だったり、、と色んな意味で見ながら感動します。 こういった見方は、フランス人には出来ない、日本人ならではの楽しみ方。 パリでは何度か黒澤映画をスクリーンで観ていますが、三船敏郎の圧倒的な存在感を感じるにはテレビではなくてやはりスクリーンですね。 黒澤映画が評価高いのは、俳優陣に恵まれた、のもあるかもしれません。 黒澤明監督は、かなり読書家だったそうですが、悪い奴ほど、、、の映画も、元はシェイクスピアのマクベスからインスピレーションを受けて製作されたのだそう。 日本映画も、毎年、クロサワ、ミゾグチ、オズ、、、と色々スクリーンで観せて貰っていますが、黒澤明監督が今だにフランスでも大絶賛される理由が分かりました。 どの回も早くから行列が出来て満席でした。 そして毎回感じる、フランス人に囲まれて日本映画を観る不思議さ。 サムライの台詞がtutoyer (フランス語の親しい仲で使うくだけた言い方)に字幕の出る不思議さ、、笑。 #
by 40ansparis
| 2016-05-22 02:13
| cinema
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フランス人の読書家の友人に会うと直ぐに"今、何読んでるの?"と聞かれてしまいます。
先日、友人のひとりに "日本の文豪のクラシック文学を読んでみたいんだけど、何を勧める?" と相談されたので、 "フランスの文豪のタイプも色々でしょう?どんなタイプがいいの?例えば、モーパッサン、スタンダール、ヴィクトル ユゴー、ゾラ、バルザック、、とフランス人作家だって、色々でスタイルがそれぞれ違うじゃない。" と言うと、 "うーん、、耽美なエロティックさを感じる小説。" と答えるので、まあそれなら、、、とまず谷崎潤一郎の"痴人の愛" "鍵" を選んであげました。 全てがフランス語に翻訳されている訳ではないので、、迷いましたが。 数日経って、、、 " 文章の中にTokonoma(床の間)って言う言葉が出てくるんだけど何?" と聞かれたので、そのフレーズを読むと 床の間にそれを置いた、、と言う文章で、"placard (フランス語で戸棚の事) の事かな?"と言っているので、、ちょっと違って和室の中に、、、、とあれこれ説明しました。が、もちろんあまり良く分からなかった様子。 和室を見たことが無ければ説明しても分かってもらえないのだから。 フランス人の文豪のクラシック文学の場合、文庫本でも必ず古いしきたりの事や家具について等、必ず注釈がついて解説がしてあります。 今回、フランス人の為に選んで中を読んだり見てみて、あらためて日本人作家のフランス語翻訳本の不親切を感じました。 日本特有のものの名前が殆ど、上記の床の間のようにそのままにしてあり、説明もない、、、。 良くこの状態でフランス人は読んでいるなあ、、と逆に感心したりして。 しばらくして、、耽美な小説の、日本とフランスの表現の仕方の違いを感じた様子。 もう少し読みたい、とリクエストがあり、二回目は川端康成の"眠れる美女"と三島由紀夫の"肉体の学校"を選んでみました。 今のところ、私のセレクトを楽しんでくれているようです。 痴人の愛と言い、眠れる美女と言い、文豪のクラシック文学には、意外な設定が潜んでいます。 フランス人にこんな風に何冊も本を選ぶなんて初めてでしたが、私も色々な本を思い出したりして楽しませてもらいました。 フランス人に、フランスの文豪の作家達について質問するとまたこれも面白いんです。日本人でもそうですが、それぞれ好みがありますから、何故この作家が嫌いなのか?理由がまた面白くて、、、読みたい気持ちにさせられたり、読もう!と思っていた意欲を台無しにさせられたり、、、笑。 フランス語翻訳本の日本の文豪の本は、、、日本映画を観ても毎回感じますが、、やはり翻訳の壁をどうしても超えられない部分が存在します。 英語とフランス語の間よりも、かなりの厚い壁が日本語とフランス語には存在して、その壁は越えられないんです。 だから、今、あらためて日本語で日本の文豪の本を読める事に誇りを感じます。 #
by 40ansparis
| 2016-05-18 04:53
| 本 livre
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今年は去年よりも沢山、藤が咲いている場所に出会えて嬉しくなります。 ただ、初夏のようだったパリはほんの束の間、また冷んやり肌寒い秋のようなパリに戻ってしまいました。 連休が毎週ある五月は、のんびりムードで既にパリジャンはヴァカンス気分ですよ。 #
by 40ansparis
| 2016-05-16 17:00
| パリの空 le ciel deParis
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秋冬は、きちんとした小説を読みたくても疲れと眠気に勝てず、ページが進まない時が多い為、パラパラと気軽に眺めたりする雑誌なども多くなります。
古本屋さんで見つけた、探していたイラスト本。 アンディウォーホルが若い頃にハーパースバザーなどのファッション雑誌に、ファッションイラストを描いていた頃のイラストだけをまとめた本なのです。 有名なポップアートのグラフィックよりも、私はこちらの方が好きであちこちで見かけたり、ポストカードになっていたり、バラバラで見た事しかなくて、探していました。 クラシックで素敵なアクセサリーも沢山。今のファッション雑誌より私にとっては、半世紀以上前に描かれたこちらのファッションの方が惹かれるものばかり。 こちらは頂いた本。 パリジェンヌのお部屋が拝見出来ます。が、私はそれぞれのフランス人の本棚が気になって仕方なくて、、。 この人は何を読んでいるのだろう??と。 本棚を見るとその人が見える、、などと良く言います。 そのせいか以前は本棚を見られるのが恥ずかしかったのですが、最近は別に平気かな。 パリに住む女性達の生き方、言葉にも励まされるので、忙しい時期にもパラパラと見ていました。 文学雑誌は相変わらず、いつも読んでいます。本の批評を読んだり、名前しか知らなかった作家の姿や生の語りを知ることが出来て楽しい雑誌です。 #
by 40ansparis
| 2016-05-13 05:53
| 本 livre
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