イタリアの監督の中でも大好きなのはミケランジェロ アントニオーニとパゾリニ。
パゾリニのは、未観だったマリアカラス主演のギリシャ神話シリーズの中のMedee 。マリアカラスの伝記を読んでからずっと観たかった映画。 話題にはならなかった小さなドキュメンタリーフィルム はle secret des arbres と言う昨年晩夏から話題の本から流れが来ているもの。 本は気になりつつも未読。 映画は分かりやすく、とても興味深い内容で観ながら驚きの連続でした。 同じ土壌にある木々は、友人や家族のようなものだとか。 人間が今日使うインターネットネットワークのようなものを木々は既に地下に持っていてそれで古来からお互いに伝達 して来たと言う事実が最近の研究によって判明。 例えば一本の木が病気にかかりそうになるとネットワークが機能して、近所の木から遠くの木まで情報が送られたり、栄養を送ったりして助け合い共存している。例え違う品種同士でも森の中ではこのネットワークによって何千年も生き延びて来ている木々。 人間社会で、ネットワークを仲介するのはインターネットやサーバーがありますが、森の中ではその役目をして活躍しているのはなんと、キノコなのだそう。 映画を観たら俄然興味が湧いた、、のですが、読みたいリストが長すぎて、いつになりますか、、、。 アンリ ジョージクルゾ監督作品も特集されていましたが繁忙期に重なり中々観る事が出来ませんでしたが観る事が出来た作品はどれも本当に良かった。 毎シーズン、女性の生き生きした映画や苦難を乗り越える女性を描く映画を観るとやはり励まされています。一人一人の人生が本当に一つ一つの小説。 読んで何年も経つデュラスのLa douleur。 小説を読んだ時のショックと変わらない、戦時中の女性たちの苦しみ。 タイトルは日本語版では苦悩と訳されていますが私はそのまま"痛み"と訳したほうが断然、本の内容に近いと思っているので、タイトルを見ると私の頭の中では自動的に痛みと訳されています。 河瀬直美監督作品は、今やフランスでは良く知られていてカンヌ映画祭の常連監督ですし、フランスの映画館でも毎作品上映されています。 毎度出演の永瀬正敏が出演の"La lumière (光)"も、思っていた以上に良かった。 昨年日本に帰省した際に、機内で観た河瀬直美監督の少し前の映画に物凄く感激、心を打つ話でした、、、それは番外編としてまた。 ゲイリーオールドマンがオスカーを受賞した英国のチャーチル元首相の半生を描いた作品は話題で長期の上映だったので三回も観てしまいました。 あの特殊メイクでの変身だけでなく、演技、そしてジョーライト監督の映像が良すぎて。 ジョーライト監督の映画の作品の中でも"高慢と偏見"は、私の大〜〜好きなこの小説を映画化した中でも一番好きな映像と俳優陣で撮られていて、この監督の映像が好きなのです。 春夏にもチャーチル元首相の同じ時期の事を描いた作品がありましたが、今回の方が断然良かったです。 映画自体はあまり話題にはならなかったけれど、ダニエル デイ ルイズの引退前の最後の出演作と言う寂しいニュースと共に観た映画は、彼だけが持つ動きのリズムと目の演技、魅力を最大限に引き出した素晴らしい映画でした。 こちらも映像が美しすぎて、、、。 そして、本当は三月なので春夏に入れる所ですが、秋冬に入れてしまいます。 イタリアの夏のヴァカンス、忘れられない愛、、綺麗で切ない音楽と映像、、、 若いディカプリオが登場した時のような少年の美しさと繊細さ、、、切なさを引きずり、ラストシーンを思い出すだけで今でも涙が出ます。 恐らく2018年の映画の中でも、私の中ではトップ3に入ること間違いなしです。 この映画でも、またやはり、、、 イタリアが舞台の映画の不思議な魅力が。 この映画の原作本も気になりますね。 秋冬は春夏よりもあまり観る事が出来ませんでした。暗くなるのも早いですし、映画を観るつもりで出かけても帰って来たり、近くのカフェに入って結局読書したり、、、気まぐれでした。
by 40ansparis
| 2018-03-22 03:00
| cinema
|
Comments(10)
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marucox0326 at 2018-03-22 10:50
こんにちわ。
いつもながら凄い量ですね。前編も拝見しましたヨ。 フランス語表記だし、日本未公開もあるかと思いますが 私もシネマ関連のサイトはチェックしているので、調べながらですが 何とか半分くらいはわかりました(苦笑) やはりそちらではセザール賞受賞作品やカンヌ上映作品の方が 話題になるのでしょうかね。 前編で気になったのは「ラブレス」 映画館で予告を見た時から、きっと結末を観客にゆだねるタイプの映画かなと 思っていましたが、どうでしたでしょうか? 日本は話題作「ペンタゴンペーパーズ」やG・オールドマンのウィンストン・チャーチルの映画 「君の名前で僕を呼んで」などは、今年からの公開で見たいなと思いつつ。 気になったのはサンドリ―ヌ・ボネールのとかプリンセスが交換される?みたいなの? 日本公開されてるんでしょうかね。 ボネールは「92歳のパリジェンヌ」で久しぶりに見ましたが、 映画自体は色々考えさせられ、涙が止まりませんでした。 その隣のは多分リドリー・スコットの「ゲティ家の身代金」だと思うのですが クリストファー・プラマー、最近映画でよく見るので健在ぶりが嬉しいです。 息子が出てるんでしたっけ? それにしてもラパンさんがアントニオーニはともかく パゾリーニがお好きだったとは。 「王女メディア」は若い頃見たんですけどよくわからず^^; 外国映画を鑑賞するたび、やHり語学力のない自分には限界があり わからないことも多いのですが、ラパンさん推しの解説を一助に 今年はもう少し沢山映画館で見られたらと思っています。
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40ansparis at 2018-03-22 17:28
marucox0326さん、これでも新作は観られなかった映画が沢山あるのですよ。パリは毎週200もの映画が観られる街ですし、毎週新作が幾つも公開されますから。この秋冬観たものは選んだもの、自分の興味ある実話ベースのものだけでした。
サンドリンヌ ボネ主演の作品はあまり話題にならなかった映画のひとつですが今のフランス社会をリアルに描いていました。日本では状況が違うので、、公開はどうでしょう。 ラブレス?はFaute d'amourの事でしょうか。これ、凄い衝撃です。が、これもロシアのブルジョア社会の一面を描いているのだそうです。 ショックととてつもない悲しみで一杯になります。映像が美しい分余計に悲しいです。 パゾリーニ、好きなんです。数年前に何度か観たオディプス王のなんかは映画化する事自体が凄い、、と感動しました。巨匠と言われるフェリーニの方が私にはパゾリーニより難解に感じます。 パリは再上映も良くありますから、秋冬に見逃した作品で春夏に時間が合えば観たいと思っています。 王女の交換は、実際にルイ15世がまだ若い時にあった知られざる事実を元に描かれた作品でフランスでは先に歴史小説として売れました。本は読んでいないのですが映画は歴史上の事実でとても興味深く観てもう一度観たいくらいです。 体調が今ひとつだと映画の二時間も長く感じたりしてかなり見逃したのが残念でした。
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Qtaro-mama at 2018-03-23 07:48
こんばんは。
私もイタリアは完全にパゾリーニ派です。20代の頃に劇場でほとんど見ていて、かなり影響受けました。 「call me by your name」、私もいまだに胸が締め付けられます。2回目見て気づいたのは、私はオープニングから好きだということ、それとあのお父さん役の俳優さんでしょうか。色々な作品に出ていて、かなり気になってます。私的には3回目ありそうです。
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francana at 2018-03-23 17:01
Call Me by Your Name、まだ見ていませんが好きだと思うので、ほんとうに楽しみです。
Phantom Threadもかなり気になっています。 ゲイリー・オールドマンのは近々見る予定ですが、ジョー・ライト監督作はたいてい好きで、高慢と偏見も最近見直したばかり。贖罪(Atonement)も良かった。 Victoria&Abdulは期待以上に気に入ってしまいました。 河瀬監督の新作は知りませんでしたが、フランスで先に公開されたのでしょうかね。永瀬正敏は「あん」がとてもよかったので、この作品も見たいです。 フランス映画でも、私の観たいリストに入っているものがいくつもあります。 私も、好きな映画は何度も何度も見てしまいます。 きりがないのでこのへんで・・・(笑)
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40ansparis at 2018-03-23 22:00
Qtaro-mamaさん、そうでしたか!どんな映画好きの人と話してもパゾリーニはマイナーなイメージで、笑、私にはフェリーニよりずっと気持ちが入りやすいのですけどね。
ママさんは20代のうちに全作品ご覧になったなんて、、凄い衝撃を受けたでしょうね。2年位前にパゾリーニ自身の死因というか亡くなる直前を描いた映画がありましたが、、観ていて切なくなりました。インテリジェンスとは裏腹に不器用な生き方しかできなくて、時代もあったのだと思いますが、周りに理解され難くて苦悩ね人生だったのだなあ、、って。 そしてCall me by your name、私も同じように三回目、いや公開されているうちにあと何回でも観に行きたくています。私も冒頭から、いいなぁ〜〜と心が揺れました。さらに、ラストに近いお父さんと息子二人きりのあのシーン、良すぎて涙が止まらなくなります。discretだけどちゃーんと温かく見守っているあのお父さん、、見終わると印象に残るのですよね。どの面も監督のセンスの良さが素晴らしいですね。
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40ansparis at 2018-03-23 22:10
francanaさん、Call me by...きっとお好きだと思います。私の周りのフランス人には、ホモセクシュアルの恋愛、ラブシーンに、あまり、、、と難所を示す人もいましたが、そう言う事を超えて、もうそう言うことは気にならなくなるくらいに繊細で切なく、音楽も映像も俳優陣も、、全てが素晴らしくて、観た後に深く感動してしまいます。まだまだ上映されると思いますよ。
ジョーライト監督、やはりお好きでしたか?他の俳優さんで他の監督の高慢と偏見を観ても、やはりジョーライト監督の作品が私にはナンバーワンです。特にダーシーさまは、笑。 同じ映画を何度も観てしまったりするので、次の週になってしまって新作が幾つも公開されて、、観ようと思っても古い好きな映画の上映を見つけてそちらに行き、また次の週になってしまって、、とかなり見逃しました、笑。これだけ製作されて映画ビジネスが回っているフランスってあらためて凄いですよね。
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arare719 at 2018-03-24 11:04
おはようございます!
今日までは日本は寒いのですが、来週から一気に初夏の陽気になるようです。 24度…エッ⁈ le secret des arbres 、このフィルムに俄然興味があります。 植物の世界は神秘で、あるお爺さんの話で…結婚当初から庭に植えていたもみの木。 子供も3人も生まれ、最後の子供が家から巣立つ最後の年に、もみの木は病気にかかり その年にあらん限りの力を振り絞り、見事な花や実をそれはそれはいっぱいつけて 枯れたそうな。何十年も家族を見守ってきたもみの木、切り倒す時にお爺さんの目に、涙。 アメリカでガーデニングをされているブロガーさんの話に、大泣きしました、、 古代から生きる植物と外界にいる生き物たち、人の想像を超えた未知があるのかも知れませんし、魅力的です。 映画からえらく、それました、ゲイリーオールドマン主演のチャーチル元首相の映画30日封切で楽しみにしていた映画です。 今日の夕方も、最終まじかのヒュージャク、マンのTHE GREATEST SHOWMANを観に行きます。 その前に図書館に寄って、エミリ・シャーロットの嵐ヶ丘を借ります。 暖かくなって楽しみ増えました。
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40ansparis at 2018-03-24 15:09
arare719さん、木々のそういった話、ありますよね。私も聞いた事があります。
本が先に話題になっていたので気になって、、だからこの映画に気づいたのです。短いドキュメンタリー映画だったので、もっと掘り下げた話も聞きたかった、と物足りなく感じた位にアッという間に終わり、、やはり本の方が詳しいのだと思います。 そうですか、、嵐が丘はまた衝撃的な推理小説並みのスリルもあります。この時代に女性で産まれていたら大変な時代でしたよね。 映画も本も気持ちに余裕を持たないと楽しめないのですが時間を敢えて作ることも自分には大切なのです。
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40ansparis at 2018-03-24 15:14
Cecileさん、秋冬は賞を獲った映画も含めてかなり見逃したのですよ。オスカー受賞のは観た映画とかぶるけど、フランスのセザールを獲った映画は観ていないものが多いの。
でも、どうしても観たい、と思う映画だけ絞って観たから繁忙期の秋冬は仕方ないです。数ヶ月すると直ぐにDVDが発売されて最近は驚くわ。
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