人気ブログランキング | 話題のタグを見る
<< この季節は 水溜りの水面に >>

新年の一冊目

怒涛の日々が終わったら、じっくり本屋さんへ入り浸り、真っ新な単行本を買って、その一冊目から今年はスタートしよう!と思って楽しみにしていました。

ゆっくり売り場で本を手に取り、めくり、立ち読みしながらも、実は私の中では決めていました。

新年の一冊目_c0181947_7383125.jpg

数年前の雑誌の批評記事で読んでいて、タイトルが印象的で、いつも気になりながら、後回しにしていた中の一冊。

タイトルは"愛はシベリアの川"。
その印象的なタイトルの元になるセリフを小説の中で主人公が語ります。

ストーリーにはシベリアが登場する訳ではなく、この場合、父親の顔を知らずに育った主人公が捉える"愛"の定義のようなものの例え。
つまり、この主人公にとって愛とは、シベリアに流れる川くらいに遠くに存在する、冷たく手の届かないものである、、、と言うことに尽きる、と言うタイトル。

幸せにふわふわしたものが愛と思っている人には想像が付かない位に悲しい定義です。

思っていた通り、この作家の情緒溢れる文章は、まさに川の流れのように滑らかで綺麗で、、、そして読みやすく。凄く感動する訳ではないけれど、
私には読後に余韻の残る良い一冊でした。

この作家の本はもう一冊購入したので、またこの方の文章を読むのが楽しみです。

普段は、読んだ所まで、ページの上を折り曲げるのですが、、、
この本は、新年やっとじっくり読めた大事な一冊目だったので、大好きな友人が送ってくれた懐かしい〜トリュフォーの日本版ポスターのカードを栞代わりに。
by 40ansparis | 2014-01-23 07:17 | 本 livre | Comments(8)
Commented by hairpriori at 2014-01-23 07:44
我が家はみんなで本好きなんですが・・
もう置くところがないのでここ数年は図書館のお世話になってます
パリにも図書館ってあるんでしょうか・・
Commented by 40ansparis at 2014-01-23 07:50
hairprioriさん、パリにも沢山図書館がありますよ。各区にまずありますし、分野毎の図書館もありますし、国立図書館もあります。
私もパリ市の図書館のカードも持っています、が、最近は図書館に行ってゆっくりする時間がなくて、、。図書館の雰囲気も私は好きなんですけどね。
Commented by kaori40712007 at 2014-01-24 10:04
「愛とは、シベリアに流れる川くらいに遠くに存在する、冷たく手の届かないもの」と言う言葉が、昨日からずっと頭の中に残ってはなれません。「幸せにふわふわしたものが愛と思っている人には想像が付かない位に悲しい定義」と言う言葉もです。主人公は女性なのでしょうか?父親の愛とは女性の中において、常に男性を観る(感じる?)尺度ともなるナと思っているので、それがなかったりあるいは冷たいものとして心底にある女性は、いっそのこと清々しくまっさらな状態で男性を愛せたりするのかな???とかいろいろ想像を掛け巡らされる記事です。主人公が男性だとまた全く違ったものになるのでしょうけど。日本語訳はないのでしょうね!?情緒豊かな文章も翻訳によっては全く違ったものになってしまってたりするのですけれど・・・。ブックマークが装丁に合って素敵です。
Commented by marucox0326 at 2014-01-24 17:08
こんにちわ。

図書館利用が多く、文庫化されるのを待って
購入することが多い私ですが、やはり
めったに買わないハードカバーの新刊を
手にするときはワクワクします。

しおりのカードは「大人は判ってくれない」かな?
Commented by 40ansparis at 2014-01-24 19:48
kaoriさん、まあ、タイトルがずっと頭に残って離れなかった私と一緒ですね。
あまり、私は読んだ本のあらすじを書きませんので、理解しにくかったでしょう。説明不足だったかも知れません。
主人公は男性なんですよ。
少しお話すると、、、
幼少の頃、母親がホテルのバーで働いて居た為、主人公は母の仕事を見ながら育つ訳です。同時に取り巻く客や母の恋人たちの事も。男性客を見れば、あれがパパかも、と、常に父親の影を追い求めて。
ある出会いから、その男性に主人公は幼少時代の話をする、その回想録とも言えます。思い出を一緒に辿った後、やっとタイトルの意味が分かるのです。それは、主人公にとっては果てしなく遠くにある失望だ、と。フランスでもこの作家の本は文庫にもなっていないのです。なので和訳はまだ出ていないと思います。様々な愛の形が存在するフランスならではの小説かもしれません。
Commented by 40ansparis at 2014-01-24 19:52
maricox0326さん、分かって頂けて嬉しいです!必ずバッグの中に読むものを入れておく私には文庫本の方が便利で、いいのですが、やはり何年も前に出版されたものでも、真っ新なハードカバーの本はワクワク嬉しくなりますよね。
栞にしたカードは、ビンゴです!
Commented by akicosmosA at 2014-01-26 09:55
帰国の折にはお連れしたい心にヒットする場所があるのです。
懐かしき時代も色あせませんね。むしろ輝き続けているかもしれませんね。先日「甘い生活」なんて観てしまいました。(マストロヤンニ)
Commented by 40ansparis at 2014-01-26 20:17
こすもすさん、そうですか。うーん、もし時間が合えば、、ですが、、いつも私はすぐに田舎へ飛ぶので、、、。
いい場所、こすもすさんは沢山ご存知ですものね〜。
マストロヤンニ、お好きですか〜?最近観てないです〜。
<< この季節は 水溜りの水面に >>