カテゴリ:本 livre( 105 )

本まとめ 2016F/W-2017

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(友人が送ってくれたカレンダーがあまりにチャーミングで、、、)

映画同様、半期に一度の本まとめ。自分の記録用で退屈でしょうけれど、お付き合い下さいませ。

今シーズンも魅力ある本に出会いました。映画同様にやはり私は実話をベースにした本は気になります。

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今シーズンの自分のNo.1は、アメリカ大陸を発見した、と言われるクリストフ コロンブスの人生を実在する古文書などをベースに推理小説仕立てにしたポルトガル人作家の本。

コロンブスとは一体誰だったのか?スペイン人かスペイン人か、、、など、、この作家は言ってみればポルトガルのダン ブラウンみたいな感じです。
歴史をベースに書いていて、ずっとずっと気になっていました。凄く面白く、14世紀頃のスペイン ポルトガル、ヨーロッパの歴史まで勉強になりました。

もう一冊もかなり厚みがあったのですが新刊発売当時から気になっていた好きな作家タチアナ ド ロネの伝記本。これは英国人作家のダフネ ド モーリエの人生を描いた本。ヒッチコックが鳥など幾つか映画化した原作を書いた作家です。
文庫になって嬉しくて厚みにもめげず秋冬に読んでしまいました。

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哲学者ショーペンハウアーを幾つか読みました。数いる哲学者の中でもかなり悲観主義者ですが、、割と私は好きです。そしてル モンド紙に哲学、文学批評を書いているジャーナリストがショーペンハウアーについて書いた本は、いつもの近所の古本屋ムッシュウが見つけてくれたのですが、この本でショーペンハウアーの人生を知り、彼の人生と思想が繋がっている理由がわかりました。
作家の人生背景を知るのが私は好きです。

どの本屋でも売れてます!と積んでいたので春夏から横目で見ながら数ヶ月が経ち、あまりに勢いが止まらない様なので文庫シリーズ1を読んでみた、イタリア人女性作家(らしい) L'amie Prodigeuse "は期待したものの、私は心にそれ程刺さりませんでした。作家本人が正体を表さずミステリアスなのも話題みたいです。シリーズ2,3と出ているのですが続きは読もうと思いません。

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現代の本を読んでいると、やはりクラシックに戻りたくなり、今シーズンはデュラス、ジャン コクトー、ポール ヴァレリーを。コクトー、晩年に書かれたエッセイを読むと、彼の繊細過ぎる心は晩年、存在自体を難しくさせて辛い時代だった様子が伺えます。今の年齢で読んだからこそ理解出来たのかもしれません。

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アインシュタインの栄光と名誉の陰に、家族の中では幾つもの悲劇があったことを描いた本も考えさせられる本でした。
10代から統合失調症になりほぼ病院で人生を送った息子のエドゥアードがまだ20代のうちに、お母様も亡くなり、ナチスから逃れる為にアインシュタインはアメリカへ亡命してしまい、父と息子は30年近くほとんど顔を合わせる事なく終わる、、ほとんど父に捨てられた状態のまま無気力に人生を送った息子の状態を思うと、、複雑でした。
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エリック エマニュエル シュミットはまだ10区に住んでいた頃から幾つか読んでいる作家です。10区のあのコスモポリタンな雑然とした界隈で私は何度も道端ですれ違い、本のサロンでも見かけ、、、不思議に縁があるのです。
どうしてあの庶民派界隈で見かけていたのか、、あの作家の心の内を覗かせて貰ったような本、、哲学本のような印象が残りました。

秋冬はどうしても思うようにページが進まないのですが、それでも幾つもの興味深い本に出会えて読んでいる時間、とても良い時間を過ごすことが出来ました。

春夏は予定している厚めの本を、比較的ゆっくりと読めるシーズン。
本だけを抱えてフラフラとカフェのテラスへ行けるヴァカンスや夏の休日、、、
今からそんなひと時が楽しみです。


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by 40ansparis | 2017-03-25 05:35 | 本 livre | Comments(2)

Éclipses japonaises : 日本のエクリプス

9月の新学期には沢山の新刊本が発売されるのが恒例のフランス。

新刊本特集の小さな記事から見つけた本を、私には珍しく、批評をしばらく眺めたり文庫になるのを待たずに直ぐに読みました。
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この本のタイトルのエクリプス、つまり月食の事なのですが、日本の見えない影の部分、と言う意味を含めて選ばれています。

この本を書いたフランス人作家が書いた日本の影の部分とは、北朝鮮拉致の事。

フランス人にはあまり、、いえ殆ど知られていないこの一連の事件を、このフランス人作家は小説仕立てで描いていますが、詳細が詳しく、またリアルで驚きました。

後書きを読んで納得。

このフランス人作家は、佐渡や周辺まで足を運んで実際に蘇我ひとみさんの旦那様ジェンキンス氏に会い話を聞いたり、他にも関係者などに助言をもらい証言を集め取材しています。

日本にまだ居た頃、毎日の様にワイドショーで取り上げていた、その様子をまた思い出していました。

私の周りのフランス人の友人達にこの北朝鮮の話をしてみても、北朝鮮がどんな国かは皆んな知っているものの日本のこの一連の事件については、もちろん全く聞いた事も無く、実際にあった話を説明すると、かなりショックを受けて皆んな唖然とします。

小泉さんの後の政権は、何も進めないのでしょうか、、、。
色々な事に思いを馳せた読書時間でした。

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by 40ansparis | 2017-02-21 06:15 | 本 livre | Comments(8)

秋冬の雑誌

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いつも繁忙期に本不足を補うビタミン剤のような存在の大人の雑誌。

この秋冬は、本も幾つかフィロソフィー寄りのものを読みました。
古本で見つけた、少し古いポール ヴァレリーの特集や、死海文書が新たに発見された特集や、、、興味あるテーマの雑誌に幾つか出会って楽しみました。

活字なしにはいられなく、本も割と読めています。寒い時期は映画館近くまで行っても、近くの本屋で時間を潰しているうちに読みたくなって、映画を観ずに結局帰ってきたり、、笑。映画はどうしても2時間くらい潰れてしまうので読む方を選ぶことも良くあります。

ヴィクトル ユゴーの文章より、、、

" Lire, c'est voyager; voyager, c'est lire"
(読むこと、それは旅すること、旅すること、それは読むこと。)

まさに!


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by 40ansparis | 2017-02-04 05:44 | 本 livre | Comments(6)

翻訳の壁 : 2

ノエルが落ち着いたある休日。
パリ市内の本屋の一角に、夏目漱石の本コーナーが作られていました。
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" 夏目漱石 没後100年 1916-2016 "
そうなのね〜。
フランスの本屋に教えてもらいました。

吾輩は猫である、の有名な始まりがフランス語訳になってパネルに書いてあります。

いつも思うのですが、、
Je suis un chat. (私は猫)

間違ってはいないんだけれど、、違うんだよねえ〜〜と翻訳文を見つめる。

でも、かと言って、そうしか訳しようがないのも事実。

翻訳本はあくまでも翻訳本。
繊細な日本語で読める喜びを噛み締めます。
日本人作家の本を読んだフランス人の友人にもニヤッと勝ち誇ったように言ってしまうのです。
" ごめんね〜、日本語で読むと、もっと繊細なニュアンスなんだけどね、訳してあげられないのよ〜。ふふふ"
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(姪っ子達がメッセージを書いて送ってくれた猫のカードです。)

***私が勘違いしまして、生誕、と書いたのですが、marucoxさんに没後である、と直して頂きました。ありがとうございます!
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by 40ansparis | 2017-01-11 17:51 | 本 livre | Comments(12)

本の存在

秋冬の繁忙期、睡魔との戦いで本を読み続けるのが難しくても、どうして私は本が必要なのでしょう、、、。

バタバタするシーズン、心が荒立ち疲労困憊しても寝る前の僅かなひと時、静かに本を広げると、心が安らぎ文字を目で追う沈黙の中に居る心地良さに浸る。

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本を開いて、綺麗なフレーズを目にするとホッとして、言葉がじんわり沁みてくる、、、。

それは私にとって僅かだけれど、静かな至福の時間。
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そして、すぐにウトウトしてしまうけれど、そのまま心地良い眠りへと導いてくれる、、、。
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by 40ansparis | 2016-12-07 01:59 | 本 livre | Comments(14)

ここにまで

いつも楽しみにしている、文学雑誌。

夏のヴァカンスで何読む?の特集は、この夏の号にもありました。
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" あなたの夏のための30冊 " というヴァカンス時期の特集。
(去年は50冊だったのに、、、、今年は不作?)

今月の特集ページのテーマは、、、

なんと
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まさかのハリーポッターでした、、。

私がえ?と固まっていると、
いつも新聞と雑誌を買う本屋のムッシュウも、
" なんだかねぇ、大人の文学雑誌までねえ、、、" と不満顔。

"こちらの表紙も見ました?"
と言われて見たら、たまにパラパラ見る哲学を楽しむ雑誌の特集テーマもハリーポッター、、、だったのでした。さらに、ええええ??

特集テーマのページはまあ、数ページですけれどね。
世界を巻き込む現象は、ここまで来たか、、と驚きました。
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by 40ansparis | 2016-10-30 04:43 | 本 livre

アムールの国の大統領

先週の新聞の新刊本の書評は、この本一色でした。
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1996年に亡くなったミッテラン大統領の、1962年から亡くなる一年前1995年までに書かれた、33年間の愛人への書簡集。
1200ページもあります。
同時に、ミッテラン大統領本人の日記まで出版されました。

私は特別ミッテラン大統領がひいきな訳ではないのですが、パリに住み始めた頃ミッテラン大統領の私物のオークション下見会場を見る機会に出会ったりなど、何かと縁があり、今だによく話題になる人なので、また興味深く書評を読みました。

文章も文学的に見て良いらしいのですが、私がイメージを覆されたのが手紙や日記に、たまに新聞や雑誌から切り抜いた文字やメトロのチケットなどをセロテープで貼り付けたりしたコラージュがしてあった事!
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これは、、、まるで恋をしている女子高生みたいで、、、、あのミッテラン大統領が?、、、、ええ??と意外でした。

そして、紹介してあったほんの一部を読んだだけですが、とてもロマンチック。

例えば、、、
" 私の喜びは、キミ想う事、キミを愛する事だ、、"
この文章は、若い頃ではなく、亡くなる一年前の手紙の文章です。

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生誕100年、没後20年と言う事で出版された様です。

それにしても、、、私なら夫に愛人が居たまま30年も耐えらないなあ、、、と夫人の気持ちを思いました。

いつか文庫本になったら、、読んでみたい、、、。

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by 40ansparis | 2016-10-23 05:25 | 本 livre | Comments(10)

80ページの重み

大戦後、去年でちょうど70年でした。
ヨーロッパには、第二次大戦後にアウシュビッツから生還した方々がまだ生存しています。
そして対戦中の家族のホロコーストやナチスによるユダヤ人迫害の歴史と痛みを抱えて(時には家族間でも新しい世代には隠したまま)今も生きている人達、家族が沢山存在するので、毎年のようにナチス統制の時代やホロコーストに関係した映画、本が制作されています。

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この本は、最近文庫になって再出版されたので購入、すぐに読みました。
80ページほどの薄い本でしたが、、、
この薄く軽い本の、なんと言う重み、、、、。

作者は1944年2月29日に、ユダヤ人検挙でお父さんと一緒に捕まりアウシュビッツに送られますが、この時まだ15歳。

運命の神様が微笑んで、彼女は生きてフランスへ戻る事が出来、その後、パートナーと社会問題などの映画制作に関わってきた方。ただし、お父さんはアウシュビッツから生還する事は無かった。

同じ収容所キャンプで彼女の近くに居た中には、アンネ フランクや後にフランスの女性大臣などを勤めたシモンヌ ヴェイユも居たそうです。

作者の手記によると、、、

大戦勃発時フランスのユダヤ人登録 30-33万人
生きてフランスへ戻ったユダヤ人 2500人

そのうち現在の生存者 160人(この本の出版の2015年時点で)

巻末の資料や解説を入れても100ページほどの薄い本なのでアッと言う間に読み終えたのですが、この本の重みに胸が締め付けられ、しばらく茫然としていました。

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by 40ansparis | 2016-10-13 04:08 | 本 livre | Comments(14)

古本の手当て

いつもの、近所の古本屋のムッシュウに私の持っている古本の状態を見て頂いた時、直ぐに一言。
" ああ、これは直ぐに手当てしてあげないといけませんね"

三日ほど預からせて欲しい、と無料で手当てをして下さいました。
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表紙を折る部分が、そのうちに痛んで裂けるだろうから、と言う手当てでした。

出来上がりを受け取る時も私に、
" この本を開く時は、優しくそうっと開かないといけませんよ。" とまるでお医者様の様に言っていました。

この古本屋のムッシュウの事は以前も書いたのですが、本に対する愛情が兎に角素晴らしいのです。例えその本が自分のお店の本でなくとも。

例えば、、、

普通の古本屋さんはほとんどと言って良いくらい、表紙を開いた直ぐのページの右上の端に価格を鉛筆で書いています。

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が、ムッシュウはそれをなさらない。値段を書いた小さい紙を挟んでいるだけ。
鉛筆なら後で消せる、と言う問題ではない、との事。

私がお店を訪れた際に持っていた今読んでいる文庫を見て、読んだ所まで、とページの端をちょっぴり折っているのを見て、、、折ったりしては本がかわいそう。折るよりも、こうしましょうね、と
ご自分のショップカードを挟むよう、渡して下さる。

といった具合に。

こうした愛情に包まれてお店に陳列された古本の状態の清潔で綺麗な事。

古本ですから、状態が様々なのは当然、と私なんて思ってしまいます。
実際に他の古本屋ならそのまま、古いんだから汚れてて当然と店頭に置かれているような程度の本でも自ら手当て、治療してから店頭へ。
それなのに、ご近所価格。

いつも頭が下がる、本へ尽くす姿です。
パリには界隈にひとつは古本屋がありますが、これだけの愛情を注いでいるお店はどれだけあるのか、、と思います。



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by 40ansparis | 2016-10-06 02:42 | 本 livre | Comments(16)

カフェ ド フロールの巨大扇子

この夏7月と8月、フランスは記録的に太陽の多い、暑い日が続きました。

日本から持ってきた扇子は、バッグの中に入れて持ち歩き、暑いメトロの中などで重宝しました。

が、私が自宅でバサバサと音を立てて、応援団長ばりに使っていたのは、もう6年くらい前に、カフェ ド フロールのテラスでコーヒーを飲んだ時に、何故かその時にサービスしてくれたギャルソンのムッシュウが下さった扇子。
フロールのテラスの風景を描いたもの。
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長さは普通の扇子の二倍あり、広げると四倍くらい大きく見えます。
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大き過ぎて、公共の場での使用は不可能な位、笑ってしまう程の大きさなのです。

当時は、カフェの横のショップで売っていましたが、最近フロールには行っていないので、今は分かりません。

この筆のイラストが好きで、このイラストレーターの本も持っています。

ファッションイラストも良く描いている人で、先日逝去されたソニア リキエルもよく描いていました。

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デュフィよりも、もう少しくだけたスタイルのイラストは、フランス人をよく捉えていて見ていて飽きないのです。

ソニア リキエルの逝去のニュースで、また引っ張り出してイラスト集を眺めていました。

パリはまた昼間は汗ばむ程。でも、扇子はまた来年までさようなら。
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by 40ansparis | 2016-09-23 02:56 | 本 livre | Comments(8)