カテゴリ:三都物語( 11 )

三都物語

今回のホスト役は東京のwhiteさん、それを受けてからのエッセイがフィレンツェのihokoさん、そして〆が私でございます。

リンクから、それぞれのエッセイをお読み頂ければ嬉しいです。

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今回のホスト役White さんが、お墓について書かれた。ん〜、難しいお題。

whiteさんがセーヌ川に骨を蒔いて、、と事ある毎に周りの方々に仰っている、、、との文を読んで、私も似た思いを抱えていたのを思い出しました。

映画の世界から、なかなか現実に戻れない私、、、二十代の時に観た"マディソン郡の橋"を観てから、すぐに私も
モンパルナスタワーから蒔いて欲しい!と思っていた事があります。

パリの何処でも良い訳なのですが、モンパルナスが私のパリでの原点なのでそう思っていたのでしょう。

話が少しずれるかもしれませんが、

日本は家系や家系の周りの世間体をかなり気にするお国、さらにしきたりがとても厳しく難解。
お墓については、家族それぞれの考え方もあるでしょう。


フランスも、日本のお盆のような、お墓参りをする休日がありますが、、、
お葬式など、身近な人達にあった場合も、日本のそれよりはラフに見えます。

フランスのお墓事情は、、、
正直に申し上げて、よく知りません。


ともかく、私自身は、何処で埋葬されても、祈っても、精神は決まった場所に戻るのだから、と勝手な確信を持っています。
笑われるかもしれないけれど。

そして、、、


お墓と言うお題から少し離れますが、、、


日常でも、何か祈りたい、心を鎮めたい時に、今は物理的にどうしてもお寺さんや神社さんが直ぐ近くにありませんから、どうするか?と言うと、もちろん私は教会へ行きます。

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信仰のスタイルが違っても神様は一緒だと思っているので、一応、教会へ入る時に心の中で
"お邪魔します。祈らせて下さい"
と、伝えます。

教会まで行かなくとも、究極は家で祈っても良い訳ですが、、、

仏教はどんな点がキリスト教と違うの??とフランス人の友人知人に聞かれる時に、私はこんな言い方をします。

:::::キリストのように神様、なのではなく、釈迦は人間で私達と一緒。
つまり愛憎も憎しみも私達と同じ様に体験した上で出家し、生きる苦しみや混沌から少しでも自分を解放出来る様に、、と言う教え、つまりフィロソフィーのようなもの。
だから、震災の時の、災難の中での落ち着いた日本人の姿勢に世界が絶賛したでしょ?
日本人は、無意識に、敢えて仏教を意識しなくとも、自然に生や死を視野に入れたこのフィロソフィーを教えられて育っているから自然にそうなれる。フランス人が簡単に最近使っているZen(禅)は、一言でなんて語れない、もっと深いもの。そして、人間なら誰でもある苦悩を克服する為の知恵が満載なのよ。 :::::

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(私なりの解釈と解説なので、ご笑納下さい、、、)

取り止めのない文になってしまいましたが、、、
人それぞれ、考え方の違うお墓について語るのは非常に難しいですね〜。
また、自分が海外に居ながら私がこう、とはっきり今言える事でもなく。

こうでなければ、と言う強いこだわりは全くない、と言う点では、今回の三都の三人とも共通していた、と言えるでしょうね。

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by 40ansparis | 2014-06-06 16:24 | 三都物語 | Comments(20)

il faut tenter de vivre : 生きる事を試みなければ。

三都物語、新春号でございます。
前回からホストがアップしたエッセイに、続くスタッフがそれを受けて自由にまたエッセイを綴る、と言うスタイルでお届けしています。

三都の時は、普段よりも長くなりますが、宜しければお付き合い下さいませ。

タイトルには、、、
映画"風立ちぬ"にも引用されたポール ヴァレリーの詩のフレーズを選びました。

この秋冬は、身近な人達が逝ってしまったり、風立ちぬの映画、たまたま読んだ小説、、と偶然にも何度も生と死を考えさせられることがとても多かったのです。

死について語るなんてタブーと見る方もいらっしゃるかもしれません。が、
死を考える事は同時に生きる事を考えさせられる事、と私は感じています。

ポール ヴァレリーの詩の一フレーズだけが有名になっていますが、この元の詩は、24節から構成される140行にも及ぶ長〜い詩です。

この機会に紹介しようかとも思いましたが、、、あまりに長く、日本語訳だけ載せても長い為、、思い留まりました。

読めば簡単ではないかなり知的度数の高い哲学のようなこの詩、そしてポール ヴァレリーは、第二次世界大戦前の日本では、知的層にとても人気があったらしいです。日本人って勤勉でかつ繊細ですからね。

でも、先程書いたように、この詩はまさに、死生観を、南仏の海辺にある煌めく光と海の輝きを見下ろす墓場から、生と死についての瞑想を描いた透明感溢れる詩なのです。

最初と最後の節のみご紹介しようと思います。

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Ce toit tranquille , ou marchent des colombes
Entre les pins palpite, entre les tombes;
Midi le juste y compose des feux
La mer, la mer , toujours recommencée!
O récompense après une pensée
Qu'un long regard sur le calme des dieux!

白鳩があるく静かなこの屋根
墓地の間で揺らめく松の木々
正午にまさに構成され
海、海は常に波を繰り返している
思いの後にかえってくるもの
神々の静寂の中の遠くを見つめる眼差し



一行目の屋根とは、海を抽象化した表現で、同様に白鳩は海に浮かぶ船を表しています。

映画にも引用された有名なフレーズは最後の24節目です。

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Le vent se lève !.....il faut tenter de vivre!
L'air immense ouvre et referme mon livre,
La vague en poudre ose jaillir des rocs!
Envolez-vous , pages tout éblouies!
Rompez, vagues! Rompez d'eau réjouies
Ce toit tranquille ou picoraient des focs!

風が起き上がる!、、、生きようと試みなければ!
広大な空気が私の本を開いたり閉じたり波は粉になり岩へほとばしる
飛びさって行け!光に眩むページよ
砕けろ、波よ!砕けて喜びに溢れる水で
三角帆がついばんでいた穏やかな屋根を!

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私の訳、分かりつらいかもしれませんが。

この詩のタイトルは"Le cimitiere marin"
( 海辺の墓場)ですが、南仏に実際にこの地中海を見下ろす墓場があり、ポール ヴァレリーの墓もここに眠っています。いつか訪れてみたいものです。

墓場でかつて亡くなった先代の人達に思いを馳せ、現実を見つめながらも、
自らを奮いたてて、それでも生きなければ!と叫ぶ詩なのです。

そういう意味では、宮崎駿監督の映画にも、ぴったりのフレーズでした。

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よく、フランス人は"La vie est belle! "(人生は美しい)と言う表現を使います。
辛い事や苦しみが例えあっても、気持ちを前向きに持って行く意味もあります。
"C'est la vie." (それが人生さ) もそうですよね。
自分で自分を励ます時にも、自分に言ったりします、笑。

お客様のひとりのムッシュウは、お店に入って来ながら、いつも
"La vie est belle --?"(人生は美しいかい?)などと言って来ます、笑。

決して悲しみ、苦しみや嫌な事に背を向ける、と言う事ではなく、向かって行きながらも、このフレーズを呟き続けて自分を励まして行きたい私です。
これはフランスに教わった事かもしれません。
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数日中に、連載エッセイをアップするのは今回は東京のWhite さんです。
whiteさんのエッセイを受けて〆るのは
フィレンツェのihokoさんです。

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by 40ansparis | 2014-02-06 00:05 | 三都物語 | Comments(21)

三都物語 : les objets parlent a moi

la cuisine(Tokyo)
l'essai (Frorence)
le dessin (Paris)


"写真や料理や何気ない一言の方がより多くのことを語ってくれる"

ihokoさんの最後のフレーズ、これに私の主題は集約されているのだけれど、
自分の言葉でさらに語りたくなりました。このフレーズを引き継ぐことにしました。タイトルは
" モノは私に語る "

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古い言い方かも知れないけれど"小売業"で仕事をして来た私の周りには、当然必ず商品、つまりモノがありました。

扱う商品が変わろうが、ずっと思って来た事があります。
商品は、売り場に"居る"だけではなく
"話す"んです。
ただし、聞こえる人ばかりではないのも事実。

自分でモノを選ぶ時、以前買い付けをしていた時、沢山の商品やサンプルの中から"声"が聞こえて来るから、選ぶ。

一見ガラクタだらけの蚤の市やブロカントでモノに出会う時も一緒。

商品に限らず、親しい人達の作ってくれる、送ってくれる写真や絵や料理、これらもまた私によく話しかけてくる。

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ストーリーは別として、映画のダ・ヴィンチコードを観た時、感じた事。

その時代は、政治上、宗教上、立場上、言葉を口にしたくても許されない状況は間違いなくあったはず。
かと言って、代わりの手段となると手紙、それも発見された場合リスクが伴う。

そこで芸術家なら、言葉の代わりに作品の中に思いやメッセージを託した、、、
現代に生きる私にも、そうする気持ちは、とてもよく分かる。

私もブログと言うツールを使い、スケールは違うけれど同じような事を
しているから。

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それは見て下さった一般の方々には、パリのカフェの風景なのだけれど、
私が、一緒に過ごした時間にありがとうを伝えたい"その人"には、あのカフェであり、そのひと時に思いを馳せる写真になるから。

言葉があればもちろんはっきり分かるだろうけれど、言葉がない時、
無いからこそ、相手をまた思い出し、過ごしたひと時を想う時間を貰う気がします。

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whiteさんへ引継ぎます。
テーマや視点が変わっていくでしょうか。。。
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by 40ansparis | 2013-10-02 00:05 | 三都物語 | Comments(16)

七羽の折鶴から、おかえりなさい

kanaさん、再手術からお帰りなさい。

この春に読んだアラゴンの詩から一部を贈らせて頂きます。
温かくいつもkanaさんを包みこむ旦那様の気持ちのようですネ。

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L'amour qui n'est pas un mot
(言葉にならない愛)

O forte et douce comme un vin
Pareille au soleil fenêtrés
Tu me rends la caresse d'être
Tu me rend la soif et la faim


C'est miracle que d'être ensemble
Que la lumière sur ta joue
Qu'autour de toi le vent se joue
Toujours si je te vois je tremble
Comme a son premier rendez-vous
Un jeune homme qui me ressemble

ワインのように強く甘く
同じ様に窓から差し込む太陽の光のように
君は僕を優しく撫でる
それでもさらに僕は乾き、君の愛を渇望する


一緒に居れること、それは奇跡のように素晴らしい。
君の頬の上の輝きも
君の周りを舞う風さえも。

君を見つめる度に僕は震える
まるで最初のデートの時のように
まるでまだ若い男のように。

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* 訳は私が個人で訳したものですので、
ご了承下さいませ。
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by 40ansparis | 2013-09-11 00:01 | 三都物語

七羽の折鶴: 三都物語 号外

今、手術の為入院のパリ在住のkanaさんへ。

病気も病院も、楽しんでしまう前向きなkanaさん、また楽しいkanaさん節を
聞かせて下さいね。待っています。

両手一杯のブーケを。
人生は美しい、、、、、。

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女性として、また素晴らしいご家族で、人生を楽しんで下さいね。
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by 40ansparis | 2013-08-08 00:01 | 三都物語 | Comments(14)

第一印象は3-5秒で決まる?: 三都物語

la cuisine :Tokyo (whiteさん)
L'essai : Florence (ihokoさん)
Le dessin :Paris

毎度の事ですが、三都市巡ってお読み頂ければ嬉しいです。

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感情や態度のコミュニケーションにおいて、見た目の視覚情報は55%の割合で人の受け止め方に影響を及ぼす、、
とか、3〜5秒で人間は相手を判断する、などの様々な解釈があります。
この研究をしたメラビアンに因んで、メラビアンの法則、と言われています。
この感じ方について三都メンバーでそれぞれが語る夏号です。

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フランス人が相手を褒める時、または時に口説く糸口に使う代表的な言葉のひとつ、、、、

Vous avez(Tu as ) les beaux yeux!!
綺麗な目してますね。(してるね)


後に人の印象で一番脳裏に残るのは、私は目、瞳です。
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映画の評論でも目の表情が、、、なんて言うくらいに"目は口ほどに物を言う"からなのだろうけど。

ただし、私は俗説よりも、脳みその反応は遅く機能すると思われ、3〜5秒ではなく、3〜5分くらいと言う感覚。

話しながらその数分くらいで、一通りの目の表情を見る事が出来て印象と人柄の漠然としたものを掴んでいる気がします。

接客業で初めてのお客様に接する時なども同様。無意識ではあるけれど。

第一印象があり、その後もし付き合いが長くなった場合、最初の印象は果たして当たっていたかどうか?

こればかりはその時々。

日本人とフランス人では、間違いなくフランス人の方が分かりやすい。少なくとも私には。

フランス人は、人の目を気にしない分、言い換えれば感情も隠そうとしないし隠せない。例え隠したつもりでも
子供のように分かりやすいのがフランス人。

反して日本人は、体裁を気にするお国柄ゆえ、本音も素顏も隠すのが御上手。少し話せばお人柄が伺える事が大半だけれど。

瞳の色は、フランスはパスポートに記載されているほど様々。

澄んだブルー、ブルーグリーン、グリーン、グレー、ブルーグレー、イエローがかったグレー、明るいマロン、、、、、etc.

逆に綺麗すぎる瞳に、吸い込まれそうになっている隙に判断を誤ることもある、のが目や瞳の持つ力、怖さかも知れない。

そんな事も思ってしまったのは、
この夏にリマスターされてスクリーンで20年ぶり位に観た映画のせい。

この夏にリマスターされたアラン ドゥロンのあの"太陽がいっぱい"でスクリーン一杯にアップになった
ses beaux yeux comme la mer Méditerranée !!
(彼の地中海のような綺麗な瞳!!)
アラン ドゥロンのファンでもない私の
脳裏にさえ焼きつくあの綺麗なブルーの目、、、。

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" 僕は特に彼女の綺麗な目が
好きだった。

空の星より明るく澄んだ、、

僕は彼女のいたずらっぽい瞳が好き
だった。"

ポール ヴェルレーヌ の詩より
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by 40ansparis | 2013-08-04 23:01 | 三都物語 | Comments(24)

"もしも、あの時、、、" / 三都物語

L'essai (Florence), la cuisine (Tokyo),
Le dessin ( Paris)

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"序文"

人生の様々な段階で、私達はその都度ひとつの選択をし、または岐路に立ち、幾つかの可能性から選択を繰り返して今に至ります。

誰もがふと、振り返る時、もしもあの時、、、だったら、、あっちを選んでいたら、、、と、想像を巡らせたり後悔したりすることが必ずあるはずです。

そんなエピソードのひとつを、それぞれ語って欲しくなり、今回ホスト役の私は、他メンバーのおふたりにこのお題を投げかけました。

今年第2弾の三都物語、前回同様にそれぞれが同じテーマで語らせて頂いています。それぞれを三都市分
(イタリア、フィレンツェ: ihokoさん
日本、東京: whiteさん)
巡って頂けると嬉しいです。

三都物語の回は普段よりちょっと長くなりますが、お付き合い下さい。

皆さんの"もしも、あの時、、、"も
聞かせて頂きたいなあ。
様々なドラマがありそう。

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社会人になって2年ほど過ぎた頃、海外旅行に行こうと友人二人と計画を立てた。私達は、卒業旅行は国内だったので、初めての海外旅行だった。

その女子三人の旅行先はすんなり英国に決まった。
私以外の二人はロンドンに、私はロンドンよりも田舎にある、ピーターラビットのモデルになった村に興味があった。

三人とも違う会社で仕事をしていたので決めた日程は動かし様がなかったが、どういう訳か旅行会社の手違いでオーバーブッキングとなり、同日程の英国行きで三人分の確保が難しいと言う。
他の都市への変更は可能性として考えられるか?と聞かれ、計画は振り出しに戻ることになった。

私は、何処でもいいよ、二人で決めて、と匙を投げ、行き先の再決定は二人に任せた。

二人がそれなら、と決めたのはフランスのパリだった。
ちょうど格安のチケットが手配出来るとのアドヴァイスもあり、すんなり決まったようだった。
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一週間私達はパリど真ん中の観光エリアではなく、勧められたモンパルナス界隈のプティホテルに滞在した。

モンパルナス界隈は、言わずと知れた6区と14区のちょうど堺目にある、昔からアーティストがたむろしていたボヘミアンな地区。

ヘミングウェイやフランスの文学をかじっていた若き三人は、毎朝の様にヘミングウェイもエッセイに書いている彼が呑んだくれたり、せっせとノートに書きものをしていたカフェのひとつに通い、テラスで道ゆくパリジャンを眺めながら朝食をとったり、歩き疲れた身体を安める為にカフェで語らった。
この滞在中、パリの本場のカフェ文化の洗礼を受け、その喧騒の中に居る心地良さを満喫した。

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日本へ帰り、またそれぞれが日々の忙しさに揉まれて行き、その後その友人二人はパリには来ていない。

二人が決めて、私は一度行ってみるのもいいかもネ、と二人が決めた船に乗っただけだったのに、
結果、一番パリから離れられなくなってしまったのは私だった。

その後は一週間位の有休がもらえるとパリに来たり、機会に恵まれて仕事としても何度も出張にパリに来て、と
パリは私にとって、自分の田舎と同じ位に居心地の良い無くてはならない場所になっていった。
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そして今私はパリに住んでいると言う人生の不思議。

初めて来たパリで通った同じカフェに、私は20数年経った今現在も通い、同じテラスから変わらない景色を眺め、時々ここに居る意味を思う。
古いスタッフも、よく知っている。

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もしも、あの時、、、
旅行会社のオーバーブッキングがなくスムーズに英国に旅行していたら、
今、私はパリには居なかったかもしれない。

パリに住む様になってから、何度もまた読み直してみたヘミングウェイの描いたパリ。

ヘミングウェイも、有名になる前に、ただひとりの外国人としてパリの街を歩き、異邦人としての目線でパリを感じていたからこそ、今の私の心にも響き、共感させられたり、同じ道を歩きながら愛着を感じたりするのだろうと思う。
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彼の言葉がいつも流れてくる。
" 若い頃、もし君がパリに出会ったならパリはその後一生君についてまわる。
何故ならパリは移動祝祭日だから。"

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今回のイラストは、今回描いたものではなく、何回かパリに来ていた頃に毎回描いていたスケッチブックから載せました。
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by 40ansparis | 2013-05-02 00:02 | 三都物語 | Comments(24)

三都物語: Life style rich

L'essaie (Florence ), la cuisine( Tokyo),
Le dessin ( Paris)

今年初の新春号、最近皆さんが話題にされる、リッチなライフスタイル。
同じテーマで、イタリアのihokoさん東京のwhiteさんも語っています。
それぞれ巡って頂ければ幸いです。

ライフスタイルの基盤は日々の生活に他ならない。いかにその日々を彩るか、、、。
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これに通じるフランス語の表現があります。
L'art de vivre、生きることのアート、とでも言いましょうか、、、。

物質の豊かさと対極にある、生活の中での心を豊かにする時間。
消費大国の日本よりもずっと、確かにフランスはこのテーマに長けているし実践してきている国。
人々の生活や食事は日本よりも質素。
でも豊かな時間の過ごし方を知っているフランス人。
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代表例はヴァカンスや週末の過ごし方。
お金をかけないで楽しむ術を知っているし、お散歩や語り合いなど、ゆったり贅沢な時間の過ごし方をしている彼ら。

あちこち見て周り忙しいスケジュールをこなす旅よりも、太陽と青い空と海がある所へ、本を数冊と水着を持って出かけ、その地に着いたら海辺で寝転ぶだけ。たまに本を開いたりウトウトしたりして。

飽きるどころか、そういった過ごし方をしてみると、いかに後から自分がその時間を欲するかを実感。
その後では、もう、忙しく巡る旅に出かけるのが億劫にさえなる。
あ、これは私の個人的感じ方。

フランス人と本の話になると、必ず出てくる言葉が、
"あの本、読んだよ、海辺で"
au bout de la mer......

気がつくと、私も、何処に旅行に行きたい、とかは今はあまり無く、ただただ太陽の日差しの下のあの空気や、空と海の鮮やかなブルーを心と身体が求めている。

日本の田舎も東京だって、私は好きだけれど。ただ、、、日本は忙し過ぎる。

"時間を、もし買えるなら買いたい"くらいに激務だった東京時代から見たら、この日常こそ贅沢に感じます。
新たな目線で、常に驚きや感動もまだあります。

先日ちょうど見つけた、プルーストの言葉。
これは、日々を楽しむ事にも通じるフィロソフィーのような気がするので、今回の主題の〆に
紹介させて頂きます。
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by 40ansparis | 2013-02-04 00:05 | 三都物語 | Comments(24)

三都物語:Anniversaire de mme white

L'essai(Florence), la cuisine(Tokyo),
Le dessin(Paris)三都のコラボエッセイ

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今回は三都物語のお料理担当、マダムwhiteさんのバースデーとのこと。
ご自身自らがホスト役での、スペシャルディナーによるパーティにお呼ばれです。

都内のwhite邸へ。

ふふ。
今宵は、実はパリが恋しくなり舞い戻ったこすもすさんをwhiteさんには内緒でお連れしてサプライズ訪問です。

こすもすさん、パリで恋に落ち、またうっとりと夢の中にいたところを連れてまいりました。
カフェで私を待っている間に恋したのは、ヘミングウェイですって??
まあね、彼は飲んべえでプレイボーイですから魅力的なのは当然ですけれどね、
そんなに素敵でしたか?

エスコート役の私、パリからの移動は、ですから、ドレスコードを守りつつ、ゴールドの小鳥に変身して(いつものウサギ状態では空を飛べませんので)見守りながら飛んで参りました。

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海外から駆けつける私やihokoさんを思って用意して下さった素敵な、宝石のように美しい手毬ずしや様々なお寿司がズラリ。
先にlilyさんががお料理やセッティングのお手伝いをして下さっていました!

White 邸にて失礼させて頂き、本番のドレスコード、黒&ゴールドに着替えさせて頂きました。


シルクのワンピースにビロード使いのストール、母の若い頃の手作りバッグを合わせて、ネックレスも黒い石のついたゴールドに致しました。

私の空を飛ぶ間の移動中のバッグの中も、しっかりドレスコードに忠実に揃えましたょ。
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お食事中は、フジコヘミングさんが奏でる、リストのため息を聴きながら。
ゴージャスでシックなお客様達にぴったりな、
ドラマティックな一曲です。

お腹一杯食べても、和食は食べた後の胃が軽いこと!

あら、リムジンでWhite 邸から、whiteさん行きつけのダンヒルのバーへ!

マイルスのトランペットが切なく美しく流れ、まるで今日お連れしたこすもすさんにぴったりな、その曲は" すぐに恋に落ちて、、"。
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皆様が余韻に浸る頃、またまた私は変身させて頂いて、私からのプティサプライズを。

髪は黒人シンガーのようにフリゼして、ふわっふわに。
カーメンマクレエばりの低音ヴォイスで歌わせて頂きました。
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C'est la série d'essai qui collabore avec mes amis de 3pays différent.
Aujourd'hui , c'est l'anniversaire de Mme White qui habite à Tokyo.
Donc on va aller fêter chez elle virtuelle!
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by 40ansparis | 2012-11-19 00:01 | 三都物語 | Comments(24)

女のデコルテ、女の背中pour mme K

•2度目の三都物語•
L'essai (Frorence), la cuisine(Tokyo), le dessin(Paris)

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今回は耳にしたマダムこすもすさんのお誕生日とのこと、スタッフそれぞれ打ち合わせ、サプライズ訪問そして押しかけソワレ、と相成りました。

舞台は東京ですが、取り仕切るホストは今回私、皆様のコラボを少しずつ全体的にご紹介
しますので少々長くなりますが、お付き合い下さいませ。


何でもこすもすさん、メランコリックな余韻に浸っていらしたご様子の今夜。

:::::::::::::::::::::::::

身体のラインがそのまま出る程、タイトな黒の絹のドレスに
頬に少しだけかかる緩やかな波打つ髪を
ゆったり首筋で結い上げて、アンティークの真珠の髪留めで
控えめに留めつける。
それに似合う色合いの、選び抜いた小さなバロック真珠が揺れる
イヤリング。装飾品はそれだけで、指輪も、ネックレスもブレスレットも
何一つ 今日は、つけるのをやめておこうか・・。

最後の仕上げは、手首と首すじに、
微かに香るようマダム・ロシャスを・・


鏡の中に写る私。
化粧台の横に飾られた、何本もの大輪のゆりの花は、
化粧を始めた時から、濃厚な香りを放ち私に軽い眩暈を起こさせる。

今夜・・私は、あの人に逢いに行く。

君、これ落としたよ。定期券を落とした私を追いかけてきてくれて、
息をはずませながら、何の疑いもないまぶしい笑顔で、そう言った。
その制服XX高校?僕も1年前まで通ってたんだ。

私・・。知ってます・・知ってます。
1つ年上の貴方のこと、いつも見てました。
校舎の窓から、図書室から、あなたが笑うのを、あなたが友人たちとふざけるのを
あなたが、校庭を駆けるのを・・。いつもいつも、・・見てました。
私は、貴方の名前も、生まれた日も、あなたが好きだという女の人も全部全部
知ってます。私は・・私は・・・。

ありがとうも言えないで、何一つまともに言葉を返せないまま、ぼんやり立っている私に
苦笑いして、あなたは、じゃ・・と、反対方向へ急いで引き返して行ってしまった。

そう・・ありがとうの一言も、言えないままで。

それからも、海の見える街で、あなたのうわさを聞いた。
覚えてる?私たちより一つ年上で、生徒会長だったXXさん。大学でもすごく
優秀なんですって。海外赴任しているらしいわよ。
高校の時のあの綺麗な大人っぽい彼女とは別れたんですって・・
年上の海外女性と結婚して、離婚したみたいよ・・
長くフランス駐在なんですって・・。

あれから・・何年が経っただろう?
あれから・・何十年が経っただろう?

あの時にありがとう。と言って微笑んで、私あなたの事知ってます。
私、いつもあなたの事を見てました。

そう・・告げる事ができていたら、運命は変わっていただろうか?

あの街を離れ、女の子2人の母になって、
毎日を穏やかに、平凡に過ごしている私の日常は
変わっていたのだろうか?


今年の異常な暑さが少しおさまってホッと一息つけると思った9月の始めに届いた同窓会の招待状。
発起人の名前の中に、貴方の名を見つけた。
創立50周年記念に学年を問わず合同で大掛かりな同窓会をするのだという。

あの日から、心が騒ぎ。何をしていても落ち着かない。

高校生のくせに、
「俺・・黒いドレスの似合うセクシーな女性が好きだな」

そんな事を、生徒会室で、友人同士雑誌を見ながら、
話していたあの人の声を覚えている。


赤い口紅も、赤いマニキュアも、黒いドレスも
ワードローブの中には無かったから、急いで探して買ったこのドレス。


でも、鏡に写る私は、なんだか。少し。違って見える。
お店の人はよくお似合いですよ。とてもゴージャスだし、セクシーです。
そう、褒めてくれたし、その気になって買ってしまったけど、

本当に、これが私なのかしら?

遅くなって、今日は帰れなくなるかもしれないからと、
ホテルまで取って・・

・・・私、あの人に会いに行く・・?。


でも・・でも。私。こんな私はやっぱり違う。

一旦、はずした結婚指輪をもう一度、指に戻す。

あの時から何十年も経った年月も、その間、私をいつも包んでくれた
愛たちも、あの人が 与えてくれたものじゃない。あの人と築いたものじゃない。
私が、私の家族、良人や子供たち、そして友人たちと、
一つ一つ積み上げたものなんだから・・。

鏡の端に写るもう一枚のドレス。
黒のドレスを買った時、どうしても決め損ねて
買っておいた、もう一枚のドレス。


やっぱり、着替えなおそう・・
髪は、髪もやっぱり降ろして肩をふんわり覆うようにさせようか。

そう・・。
私は、今の私としてあの人に逢わなくちゃ。
いつもとは違う、黒い服を着て、赤の勝ったルージュをつけた
私ではなく、私が私の年月を歩いてた 今の私で、あの人に逢いに行く。


その後で、例えどんなに遅くなっても家に帰ろう!
今日は、私の誕生日なんだもの。特別な日に一緒にいたいのは・・、

あの人じゃない・・。そう、あの人じゃないんだ。

家に電話をかけて 待っててね。って伝えよう。
でも。皆、なんて言うかしら?
このドレス姿の私を見たら・・・・。

この色。

本当は、この色合いは、大人じゃなくちゃ、着こなせないんですよ。
黒なんかより、もっと難しい 人を選ぶ色なのに、良くお似合いです。

お店の人に背中を押されるように買ったこのドレス。

うん。本当に!自分でも、似合うと思うわ。
これが私・・。鏡の中に写る。これが私なの!


明日から、またいつもの私らしい服を着て、
ママはいつまで経っても夢見る夢子なんだから・・って笑われても、
少しだけ、ほんの少しの間だけ、妻であり、母である前に
少女であって 女である 私の心で、あの人に逢い行く。

そうして、明日からの私は、今日までの私より もっともっと素敵になる!

:::::l'essai est écrit par Mme ihoko::::::::::

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お料理のプロ、マダムwhiteさんからのケータリングサービス。
目味麗しきお料理の数々。
全てこすもすさんのイメージで用意されたスペシャルメニューです。

可愛いちょっとしたおつまみ(リンゴとパルミジアーノレッジャーノチーズ)
パスタ(プチトマトとラディッシュのパスタ)
メイン(ポークチャップのグリュイエールチーズ焼き)
ドルチェ(フルーツのタルト又はストロベリームース)

お茶会の名人、こすもすさんに相応しくドルチェもふたつ用意されました。
皆様がドレスのお腹を気にしながらも堪能しました。

こすもすさんのご友人、てぶくろさんは手袋使いのプロらしく素敵なコーディネートで
ボーイフレンドとご一緒に、駆け付けて下さいました!

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え?お誕生会の予定などない?
いえ、たしかに「本日こすもす邸にてお誕生会を開催します」とうかがったのですが・・・
そして、ある方がご自慢の美味しいお料理を運んでくださるらしいですよ。
ワタクシはある方から「会場にでで~んと派手なお花を飾ってください」とお願いされましたのよ。
ほら、テーブル・フラワーをお持ちしました。



こすもすさまのイメージでピンク色で統一しました。
でも、ただの甘甘のピンクだけじゃない、チョコレートコスモスを使って、シックに
大人な感じに仕上げてみましたわ、
フレンチスタイルのアレンジのつもりです、いかがでしょうか?ほら、今夜お召しの
お洋服にもよくお似合いですよ。

こすもすさまは、最近「若い男性と恋に落ちた」<とうかがいましたので、
私も負けずに連れてまいりましたわ。

::::::::commentaire par Mme tebukuro::::::::::

今回お集まり下さった淑女の皆様へお願いしましたドレスコードは"デコルテと背中"。

皆様がそれぞれ、ご自分のこだわりをスタイリングして集まって来て下さいました。
詳細や種明かしはそれぞれのブログにてご覧下さいませ。

さて、私は昨年観たマダムGrès の回顧展にて、オーダーしてありました、ドレスを。
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"これで飛行機に乗ってきたんですって、、"


背中にインパクトがありますので、アクセサリーはパールのロングピアスのみにしています。

年齢を素敵に重ねた女性のデコルテや背中は沢山の物語を語るのです。
そんなことを大いに感じた今宵の三都物語。

楽しい宴でした。大いに笑って食べて。
余韻に浸って居る間に、帰途の時となりました。
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by 40ansparis | 2012-10-04 00:01 | 三都物語 | Comments(23)