ノエルが落ち着いたある休日。
パリ市内の本屋の一角に、夏目漱石の本コーナーが作られていました。 " 夏目漱石 没後100年 1916-2016 " そうなのね〜。 フランスの本屋に教えてもらいました。 吾輩は猫である、の有名な始まりがフランス語訳になってパネルに書いてあります。 いつも思うのですが、、 Je suis un chat. (私は猫) 間違ってはいないんだけれど、、違うんだよねえ〜〜と翻訳文を見つめる。 でも、かと言って、そうしか訳しようがないのも事実。 翻訳本はあくまでも翻訳本。 繊細な日本語で読める喜びを噛み締めます。 日本人作家の本を読んだフランス人の友人にもニヤッと勝ち誇ったように言ってしまうのです。 " ごめんね〜、日本語で読むと、もっと繊細なニュアンスなんだけどね、訳してあげられないのよ〜。ふふふ" (姪っ子達がメッセージを書いて送ってくれた猫のカードです。) ***私が勘違いしまして、生誕、と書いたのですが、marucoxさんに没後である、と直して頂きました。ありがとうございます!
by 40ansparis
| 2017-01-11 17:51
| 本 livre
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Comments(12)
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marucox0326 at 2017-01-11 21:53
逆もしかり。
学生時代は翻訳ものの外国文学が好きでしたが、 駄洒落や暗喩的表現、もしくは独自の物の名前には 必ず注釈が付いているにもかかわらず、行ったこともない見たこともない国のそれらを理解するには、私の旺盛な想像力を持ってしても到底無理がありました。 でも翻訳の独特の表現が好きでもありましたから、 翻訳には翻訳の良さがあるとも思います。 2016年は漱石没後100年、今年は生誕150年だそうです。 1867生-1916没 道理で昨年は「それから」が朝日新聞に連載されたり、 確か「漱石の思い出」という、夫人の著作を原作にした ドラマがNHKで放映されたり。(←結構面白かったです) かく言う私は、文豪夏目漱石 恥ずかしながらちゃんと読んだ経験がないんです。 教科書やダイジェスト版でしか。
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40ansparis at 2017-01-11 23:36
marucox0326さん、没後でしたか!早とちり、直して頂きありがとうございます。
私も学生時代と二十代は翻訳本好きで読んでいました。やはり逆もしかりですね。カミュとか翻訳本が何だか文が困難に感じていましたが、フランス語で読んだらとても読みやすいシンプルな文章で、、少しずつフランス語で読み直しているものは、どれもそう感じています。昔の書き言葉があまりに今使う言葉と掛け離れているからですよね。春樹さんが仰るように翻訳にも賞味期限がある、と同感します。
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kyotachan at 2017-01-12 00:22
わたしは学生時代に読んだサガンの翻訳本の中ににあった、「彼はわたしの気に入った」という一文がどうしても解せず、なんなのこれ?どういう意味?と話に入り込めなかった経験があります。今では原文に忠実に訳されたものだったのだなとわかるのですが、でも、日本語で言うなら「わたしは彼を好きになった」だと思うんです。翻訳者さんは、そこにこだわったのだろうなとも想像するのですが、でも日本語では言わない!
漱石は「こころ」がいちばん好き。というか、それしか読んでいないかも。何度読んでも好きなんです。
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40ansparis at 2017-01-12 04:59
kyotachan さん、ああ、分かりますー。今ならil me plait .が原文かな、とか想像が逆から出来ますからより分かりますけどね。
分かりやすく今の日本語で訳し直したら、もっと高校生くらいで読んでも親しみやすいのじゃないかなあ、と思いますけどねえ。出版社ではそういう意見がないのか、著作権の問題か、、それさえなかったらkyotachan さんと私でいっそのこと、分かりやすい翻訳本を、、なんてね〜、笑。
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kanafr at 2017-01-12 06:40
確かに日本語では、吾輩は猫であるなので、Je suis un chat.になるんでしょうけど、ちょっとこれでは、あまりにも直訳すぎますよね。
こちらで見る日本映画の仏翻訳文も、あまりにも直訳過ぎてニュアンスが伝わっていないだろうなあと思う時があります。 作者が書いて通り翻訳しなきゃいけないんでしょうけれど翻訳者は作者が書こうとしたニュアンスも伝える超訳をしてほしいですね。
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三毛子
at 2017-01-12 08:28
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ラパンさん、わたくし三毛子は「吾輩は猫である」にちょこっとでておりますヨ。
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40ansparis at 2017-01-12 16:58
kana さん、作者の分身になり尽くして、フレーズの裏にある作者の思うニュアンスまで考えて訳されたら、、凄い事ですよね。翻訳が違うと読んでいる時の読者の気持ちの入り方がやはり違いますから。
映画も、仰るようにその通りで、スペースと時間に制限がある分、もっと省かれてしまいますから、難しいですよね。それに、黒澤映画のサムライのセリフがtutoyé に字幕が出たりすると、クスクス笑ってしまいます。言葉の中には文化が含まれているので世界中の言語を理解するのは限界がありますけど、原語で読む、という意味をいつも考えてしまいます。
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40ansparis at 2017-01-12 16:59
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40ansparis at 2017-01-12 17:03
Cecileさん、英語やフランス語を日本語に訳す時も同じような事が起こるとは思うのですけれど、、訳せない、とか、直訳すると確かにそれになるんだけど、もっとこう言うニュアンスが含まれていて、、そこが訳せない、、とか、せの部分こそがその言語を使う国のメンタリティーや文化そのものに繋がるから、相手の国には存在しないメンタリティーだったりすると訳せない訳なんですよね。言葉を学ぶことはただツールとして学ぶのと一緒にその国のメンタリティーや文化を学ぶ事でもあるのですよね。
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yumibag at 2017-01-13 14:31
ワタシは日本語でしか本を読んだことはありませんが 翻訳って直訳だと文章が持つ意味合いが伝わらないことあるし 意訳すると作家の本意が伝わらない事も、、、
何気に使ってる言葉 人と交わす言葉、、、難しいですよね 翻訳、、、からいろんな思いが駆け巡ってしまいました
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40ansparis at 2017-01-13 16:43
yumiさん、最近は日本の文庫など、新訳が出てきていますよね。
当然だと思うんです。言葉、特に人々が日々使っている言葉は生きていて変化し続けますし、時代によって使い方だけでなくて意味まで時には変わってしまいます。フランス語でも若い世代は長い言葉を省略したりして新しい言葉が生まれたり雑誌でも使われていったり、、紙の上の言葉もリニューアルしなければ、、と思いますね。 星の王子さまも、三人の訳で読めたと記憶していますが、、ちょっとした感覚で読みやすさ、違いますね。
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