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80ページの重み

大戦後、去年でちょうど70年でした。
ヨーロッパには、第二次大戦後にアウシュビッツから生還した方々がまだ生存しています。
そして対戦中の家族のホロコーストやナチスによるユダヤ人迫害の歴史と痛みを抱えて(時には家族間でも新しい世代には隠したまま)今も生きている人達、家族が沢山存在するので、毎年のようにナチス統制の時代やホロコーストに関係した映画、本が制作されています。

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この本は、最近文庫になって再出版されたので購入、すぐに読みました。
80ページほどの薄い本でしたが、、、
この薄く軽い本の、なんと言う重み、、、、。

作者は1944年2月29日に、ユダヤ人検挙でお父さんと一緒に捕まりアウシュビッツに送られますが、この時まだ15歳。

運命の神様が微笑んで、彼女は生きてフランスへ戻る事が出来、その後、パートナーと社会問題などの映画制作に関わってきた方。ただし、お父さんはアウシュビッツから生還する事は無かった。

同じ収容所キャンプで彼女の近くに居た中には、アンネ フランクや後にフランスの女性大臣などを勤めたシモンヌ ヴェイユも居たそうです。

作者の手記によると、、、

大戦勃発時フランスのユダヤ人登録 30-33万人
生きてフランスへ戻ったユダヤ人 2500人

そのうち現在の生存者 160人(この本の出版の2015年時点で)

巻末の資料や解説を入れても100ページほどの薄い本なのでアッと言う間に読み終えたのですが、この本の重みに胸が締め付けられ、しばらく茫然としていました。

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by 40ansparis | 2016-10-13 04:08 | 本 livre | Comments(14)
Commented by whitelacenonyo at 2016-10-13 09:34
本の内容の重さは、本の厚みで測るものではないですね。
アウシュビッツの悲惨さは多くの映画で見ていますが
今でもあの独裁者の狂気が多くのことか人生を狂わせたことか、、、
80ページの作者は神から生かされて、
世の中の人に伝える役目を与えられたとしか私には考えられません。
その上、いろいろな本を読み込まれているラパンさんだからこそ、こうしてブログにアップして私たちにに感動を与えているのです。感謝します。
Commented by whitelacenonyo at 2016-10-13 09:40
先日の古本を大切に扱う、そして手当て、、
ほのぼのした店主とラパンさんの会話に丁寧に生きている人間の感情が溢れていましたね。
すぐにコメントしようと思いながら、、、
遅れてしまいました。

パリへ行くとこのようなな本屋さんが私が借りるアパートの近くに数件ありますので、またゆっくり覗いてみようと思いました。
Commented by hairpriori at 2016-10-13 10:27
人類史上
最悪の行為の
1つでしたね
Commented by Cecile at 2016-10-13 11:28 x
偶然! 私も同じような本を丁度読み終えたところ。彼もアウシュビッツに送られた時は15歳。
頁をめくるのが心苦しくなるほどの深さでした。
Commented by 40ansparis at 2016-10-13 21:12
whiteさん、アウシュビッツやナチスに関した映画だと私も必ず観ています。個人のレベルで見たら、どれだけのドラマがあったのだろうと思いますよね。
あんな地獄を見て、今も現代を見つめながら生きていらっしゃる方々を思うと、私は励まされます。
アウシュビッツで何が起こっていたか、今ではほとんどの方が知っていますが、一人一人の証言した本や語れる映画は、聞いて知っている私達の想像を絶する生々しさと惨さで溢れています。後の世代にも語り続けるべき事だと思いますね。
Commented by 40ansparis at 2016-10-13 21:15
whiteさん、ああ、サンジェルマン界隈にも沢山、ジャンルの違う古本屋さんがありますよね。一店毎に店主のこだわりは違い、雰囲気も違いますし、、、本との出会いだけでなく、その出会いさえも楽しめるのがまたパリの街ならではだと思います。
Commented by 40ansparis at 2016-10-13 21:17
hairprioriさん、この作者は女性で、70年経った後、一緒に捕まり戦後もう会う事は叶わなかったお父さんへの手紙と言う形でこの本を書いています。きっとお嬢様のいらっしゃるhairpriori さんなら泣けてしまう事でしょう。
Commented by 40ansparis at 2016-10-13 21:19
Cecileさん、本当ね〜。同じ時期に同じような気持ちになっていたのですね。
Cecileさんの読んだ本、私は読んでいないのだけど、アウシュビッツから生還した人の手記の本の紹介記事で見た事があります。私も読んでみたくなりました。
Commented by francana at 2016-10-14 01:20
その重さ、想像してみました。
映画でもこのテーマには常に惹かれて見ていますが、本は自分の精神的コンディションがよくないと、なかなか読めません・・・文字通り打ちのめされて、眠れなくなります。
この本、探してみますね。紹介してくださってありがとうございます。このまえの映画「Voyage de Fanny」もぜひ見たいです。
Commented by 40ansparis at 2016-10-14 04:04
francanaさん、そうですよね、映画も本も自分の状態が良くないと入り込んで行けないのですよね。
この本は最近ポッシュ版が発売されたばかりみたいなので、割とあちこちの本屋さんで新刊本コーナーや目立つ所に置いていました。すぐに見つかると思いますよ。
それからVouage de Fanny !私もまた観たいのですが、上映している所が今はありません。
凄く感動した映画で、子供達が可愛くて、苦難を乗り越えていく姿に、観ながらずっと私、泣いていました。実話とは思えない、信じられない話なのです。このファニーさんもまだご存命でいらっしゃるようです。そろそろDVDになるのじゃないかなあ、と思っています。
Commented by akicosmosA at 2016-10-16 09:05
私も多感な少女のころアンネの日記に出合いそれから少しアウシュビッツに関する本など読み震えました。
今のほうが余計悲惨さを感じすぎてついつい読めなくなりました。娘たちが通った学校はきちんとフィルムを見せ当時の現実を教えていました。
夫もポーランドへ行ったときにホロコーストへ行き多くの写真を撮りさらに夫の視点の言葉で娘たちに教えていました。語り継いで語り継いでいかなくてはですね。
Commented by 40ansparis at 2016-10-17 02:53
こすもすさん、証言や映画の再現でも目を背けたくなりますけれど、実際の現場は、遥かにもっともっと残酷で目を覆いたくなる酷さだったのだろうと思います。
日本は特に子供にはドキュメンタリーフィルムの残酷な場面を見せないようにしたりしますが、ヨーロッパはテレビを観ていても、しっかり事実を見せる姿勢があります。どちらが本当はいいのか、、は子供の性格にもよるでしょうけれど、その子供に合う形で、それぞれの家庭や教育現場で教えて行く必要があるでしょうね。あの時代を乗り越えた方々を思えば自分がいかに恵まれているかを実感しますね。
Commented by kanafr at 2016-10-25 08:22
日本にいた時にも、収容所やホロコーストの事などを書いた本や映画などを見ましたが、やはりフランスに住むようになって実感しています。
人がここまでになるのか、という問題は、あの第2次世界大戦で十分経験した筈なのに、未だに同じような問題が起きていますよね。
最近では、ユダヤ人側から見たものだけでなく、ハンナ・アーメントの映画やLe Labyrinthe du silenceの映画のようにドイツ側からの映画もありますよね。きっと日本だったら作れない映画だっただろうと思います。

今から6年前にやっとドイツが第1次世界大戦の賠償金の支払いを終えたと聞き、その賠償金の支払いをするようにドイツを追い詰めたのがフランスである事など、あの時代色々な事が重なり、絡み合って生まれた悲劇の時代だったと思うと、今ある事の本質をしっかり見ていかなきゃいけないと痛感しています。
Commented by 40ansparis at 2016-10-25 20:18
kanaさん、私もドイツ側による映画の製作、凄い事だなあ、と思って観ました。なかなか出来ない事ですよね。日本だって、残酷な事をアジア各地でしてきた訳ですから。大島渚監督の戦場のメリークリスマスなどは、そういう意味で敢えて自国のタブーに触れて冷静に描いた作品で、日本人も知っておくべき事実ですよね。
ドイツの賠償金支払いが終了したのは6年前なのですね。存じませんでした。こちらにいると、ナチスによる戦争の傷跡が生々しく感じられますね。
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