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かぐや姫:le conte de la princesse KAGUYA

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新聞、雑誌でも話題にしていて初めて上映を知った、スタジオジブリのかぐや姫。

既に、フランス人に大絶賛されている模様で。

千年も前に書かれた、日本人なら誰でも知っている物語。
セリフはもちろん脚本によるものだけれど、見終わった後、これは現代の女性たちを描いている、、、そんな気にさせられた。
かぐや姫の物語がこんなに深いものだったとは。

竹取の翁のもと、山の中で元気に飛び回り育った女の子。
神様のご指示と、翁は都へ移り、高貴な姫君としての教育を受けさせる。

山の生活との余りの差に違和感を感じては反発するかぐや姫。

大人、女性になると言う事は、位の高い殿方と結婚すること、それこそが最高の幸せである、と言う周囲の言葉に納得がいかない。

思い切り笑えない、ドタバタ走れない、お歯黒をしなければならない、、、などなどしきたりに疑問を持つ。

反発する度に、教育係りの女性が常にピシャリとたしなめる。

"高貴な姫君と言うのは、廊下を走り回ったりはいたしません。"
"高貴な姫君は、口を大きく開けてお笑いにはなりません。"
"高貴な姫君とは、、、、"
延々とこれが続く日々。

かぐや姫は、一言、
"高貴な人と言うのは、人間では無いのね!"

五人もの殿方、ミカドからの求婚まで断り、本当の幸せとは、、と考え反発する日々。そして幻滅し、月へと帰ることを決意。

でも帰って行く時に彼女は一瞬思い返す。感情のない月は平和かも知れないけれど、悲しみや辛いことがあっても生きている、と感じることが出来る地球での人生は素晴らしい、と。

内容、シナリオもポエティックでピュアで素晴らしいけれど、フランスで大絶賛されているもう一つの理由がアニメ手法。

今までの技術ではあり得ないほどの手間と費用がかけられた、水彩画でのアニメーション。
手描き感溢れるタッチが素晴らしい。
記事によると、三秒のシーンにおよそ3000枚もの絵コンテが必要とのこと。

この手描きタッチが、日本の田舎や文化、和の優美さ、繊細さを感じさせ、さらに琴の音や鶯の声、、と言った耳からの日本の美を感じさせて、全編癒されてしまう。

会場は、見事に大人ばかり、かなり年配の方も沢山観にいらしていて、私の周囲の観客席のフランス人も、見終わった後"C'est beau !!(美しい!!)"
などと大絶賛していました。

こちらはパリジャン紙の別雑誌の絶賛記事。
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by 40ansparis | 2014-07-14 22:10 | cinema | Comments(24)
Commented by ihoko at 2014-07-14 22:56 x
わ~~~。観たいな。いいなぁ。いいなぁ・・。イタリアにも来るかしら?竹取物語ってそんなお話だったの?
本物のお姫様、しかも、素晴らしい感性を持ち合わせたお姫様ほど、自然で自由で、何も必要としないのね。
<高貴な人と言うのは、人間では無いのね!>
あはは・・確かに。今の日本の皇室見てても、人じゃないわ!と思っちゃうもの・・
Commented by kyotachan at 2014-07-15 00:01
フランス人に「見たわよ。よかったわよ~」と言われました。見たい~!
Commented by 40ansparis at 2014-07-15 04:20
ihokoさん、本来の竹取物語には、地球が、とか女の幸せとは?なんて言う事は書いていないんですよね。このスタジオジブリの脚本と言うかシナリオが、あえて現代の女性に向けて、、みたいに広げて作っているかのような、新しい解釈がまたこれも素晴らしいと感じたのです。
なるほど、月に帰る、といきなり書かれていたけれど、本当にこんな深い意味が込められていたのかもしれないな、と。
Commented by 40ansparis at 2014-07-15 04:21
kyotachanさん、もう本当に素晴らしい作品です。今までのアニメーションを覆す、観たことのないアニメーションですよ。
Commented by hairpriori at 2014-07-15 07:17
日本ではそんなに話題にならなかったような・・^^
Commented by 40ansparis at 2014-07-15 07:22
hairprioriさん、そうみたいですね。調べて日本では去年に公開された、と聞いて、、。フランス人にはこの物語自体が新鮮なのもあるでしょう。
Commented by kanafr at 2014-07-15 08:58
このポスターの「姫の犯した罪と罰」の一文を読んでから、かぐや姫と言っても多分私が幼い時に読んだ話をさらに深く掘り下げたか、全く違う解釈のお話なのか、どっちなんだろうと思っていましたが、なるほど...そういうお話になっていたんですね。
高畑勲監督って、宮崎駿監督の永遠のライバルだって聞いた事があります。お互い尊敬しあって刺激を受けていい作品を作り上げていくって素敵な事ですね。高畑さんの火垂るの墓も好きだったわぁ。
Commented by yumibag at 2014-07-15 09:15 x
観ましたよ〜 子供の頃読んだイメージとはチョット、、、どちらかと言うと大人向け 内容も去ることながら水墨画のような技法のアニメーションが日本ならではの美しいものでした
かぐや姫も可愛い子供の表情から大人になっていく内面の表情へと けっして美しいだけではないところに引き込まれました
Commented by shinn-lily at 2014-07-15 10:26
この映画の話しを聞いた時、なんだ・・かぐや姫と思っていたのですが・・・ああまずい、もっとやわらかな気持ちで物事を見なければ、見失うものがあるのですね、
ああ、見てみたいです。
Commented by Cecile at 2014-07-15 11:06 x
ジブリの竹取物語? Zen et jolieとはいい意味に解釈していいのかな? 和風の良いものは割りと何でも「禅」につながってしまうのよね。英語圏でもその傾向ありです。
Commented by トミミン at 2014-07-15 13:46 x
ラパンさん こんにちは!
お久しぶりです。お元気でしたか?
私は 更年期症状などなど体調不良のため家でおとなしくしております。
こちらは もうかなりの蒸し暑さで エアコンフル稼働で耐え忍んでいます。

さてさて「現代版かぐや姫」 なかなか面白そうですね。
肩肘張らずに 気楽に観られそうですね。
DVD になったら 観ようと思います♪

 
Commented by 40ansparis at 2014-07-15 17:14
kanaさん、どちらの意味もありますね。新しい解釈で深く堀下げた、という感じたのです。その解釈の中で、、、
月に居た頃、地球から帰って来た女性の話に夢中になり地球に行きたいと思った罪、地球へ放り出された、これが罰のひとつで同時に、月にはない感情と言うものを知って、自分の自由を求めることは周囲の人達を苦しめてしまう、これが罪であり、それを悟り月に帰る事になる、これも罰。と、
私は理解したのですが、あとはご覧になってそれぞれ違うのかもしれません。泣けるのです。脚本が素晴らしいのです。
Commented by 40ansparis at 2014-07-15 17:16
yumiさん、ご覧になったのですね!
最後は、、少し漫画チックに見えてあまり好きでは無いのですが、それでもそれを超えて泣いてしまうほどでした。セリフのひとつひとつが素晴らしいので、フランス人観客も、訳したものを読みながらも泣いている人達もいましたよ。
Commented by 40ansparis at 2014-07-15 17:18
lilyさん、日本に居たら私も同じように見逃していたと思いますよ。フランスに居るからこそ、和の優しさや可愛さ、優美さに敏感になる自分がいます。
今の時代、すぐにDVDになりますから、機会がありましたら是非。
Commented by 40ansparis at 2014-07-15 17:22
Cecileさん、英語でもそうですか。
ただ、この記事の場合は、本当に絶賛した表現です。私が感じた、全編癒される音、色彩、描写、、まとめての和の癒し、これを、あまり乱用して欲しくはないけれど一言で表したのがこの場合のZenでしょう。映画を観て頂いたら分かって頂けると思います。まあ、それを現すのに、この言葉でしか語れない、のかもしれません、笑。
Commented by 40ansparis at 2014-07-15 17:26
トミミンさん、私の方こそご無沙汰していました。いつもありがとうございます。
体調のこと、前に伺っていました。暑さはさらに体力も消耗しますから、ご無理なさらずにお過ごし下さいね。
そう、これは現代版かぐや姫なんです。
まさに私達を反映させたような、、、。
観ている女性達がみんな私の事かしら、、と一瞬でも思ったのじゃないか、と私はおもいましたよ。機会がありましたら是非。
Commented by いっこさん at 2014-07-15 20:25 x
ジブリ作品、前作の「風立ちぬ」も、この「かぐや姫」も映画館で予告編を何度も見たのに実際には見ていないんです。どちらも良い映画のようですね。
スクリーンで見るのは違うと思いつつも、いつかそのうちテレビ放映されるはず、と思ってしまう自分がいます。実際、ジブリ作品はひんぱんに再放送されるので、「トトロ」とか何度も見てます。
Commented by cesariana at 2014-07-15 23:11 x
記事を読んで、俄然興味が湧いて来ました。そうか、そんなに良いのですか。オタクではない大人のアニメって発想がないから、観たらこの映画に魅了されそうなひとは、アニメというだけで観に行かなかったのだと思います。
大人向けで広報すれば良かったのにね。
機会を作って観てみます!
Commented by 40ansparis at 2014-07-16 05:26
いっこさん、日本では映画料金も高いですから、余計にアニメーション映画にあの料金を払って観るか?と大人は思ってしまいますよね。フランスはそういった点では、おばかな映画でもアニメーションでも気軽に観る事が出来る機会が沢山あるのです。そういった事も動員数や話題に関係してきますよね。
風立ちぬ、と、このかぐやは、アニメーションとは言っても全く違うタイプのアニメーションなんです。聞くところによると、今までのアニメーションではあり得ない手法と経費、なのに日本ではヒットせず、大赤字らしいです。でも考えられない程の手間をかけられて完成した凄い作品のパワーと概念を覆すアニメーションに、フランスでは大絶賛、やっと報われているのでしょう。
Commented by 40ansparis at 2014-07-16 05:30
cesarianaさん、まさに仰る通りだと思います。まるでこの映画は、現代の女性達を描いているような、、そんな作品に仕上がっているのですから、上手に女性誌などを巻きこんで何故プロモーションしなかったのかな?と思います。それと、上のコメントのお返事にも書きましたが、日本は映画料金が高すぎるので、アニメーション映画にあの料金を出すか、、それも問題ですよね。今、フランスも日本のアニメーションを真似ていますが、このかぐや姫は、またさらに上を行ってしまい、日本の技術の高さを見せつけています。
とても誇りに思います。
Commented by sahobo at 2014-07-26 19:22
ラパンさん、
お久しぶりです!
こちらでも公開されていて、先日やっと見てきました。映画館で日本語で観られる幸せ…。
本当に素晴らしく、色々と思うところがあって、1人でボロボロと泣いてしまいました。
特に絵。田舎の草花、木、空の色、虫の音などの季節の移り変わりが、まさに私の育ったところのようで(あそこまで田舎ではないけれど、日本の草花ってことで。笑)…。菜の花、ツユクサ、アケビ、日暮やバッタや…。
ジブリの映画はいつも日本の自然の風景にとても心を揺さぶられるけれど、今回は特に心に響きました。これは海外にいると特に、なんでしょうね。
お話、かぐや姫は、私も「これ私だ!」と思ってしまった1人です。
なんで余計に感情移入。(笑)

私が行った時、観客は年配の方が多かったです。アニメ、ジブリ好きだけではなく、映画好きな人に見られているんだなーと、うれしかったです

私もこういう素晴らしい、繊細な絵とストーリーの作品を生み出す日本の技術を誇らしく思いました。
Commented by 40ansparis at 2014-07-26 20:12
sahoboさん、こちらこそご無沙汰していました!ご覧になりましたか?脚本、素晴らしいですよね。かぐや姫のセリフひとつひとつも。日本人なら誰でも持っている原風景のモチーフが全編通して出てきてまた癒されるんですよね。
また映画のお話、したいですよね〜。
と、言いながら、あまりこの春は新作を見ていません。逆に古い映画は、いいものを幾つかまた観る事が出来て、それを初めて観た頃の自分を思い出したり、原作を買ったり、、。
フランスでも、観に来ていた人達が必ずしもジブリのファンだけではないのを今回は感じました。本当に私も日本の技術の繊細さ、感覚の素晴らしさ、誇りに感じました。
Commented by fuki at 2014-07-28 09:45 x
これ、日本で見逃しました。国内ではそこそこで終わっていますが、実はこういうアニメをもっと外国の賞レースなどへ出して欲しいと思いますよ、ジブリさん☆ありのまま「let it go」もよいけど、きっと評価高いと思うな☆私もみなくちゃ!
Commented by 40ansparis at 2014-07-29 02:53
fukiさん、何処の漫画もアニメーション映画も、日本の技術、日本人の仕事の細かさには、本当にかなわないんですよね。
映画をもっと手頃な価格で観る事が出来るような仕組みをまず作るのも前提ですが、もっともっと誇りに思って海外へも出すベきですよね。フランスはそういう意味では、ジブリ作品ともなれば嫌でも話題になって注目されてしまいます。風立ちぬも素晴らしい映画でしたけど、かぐや姫には度肝を抜かれるほど、また凄い作風で素晴らしいです。
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