上半期をまとめておかないと、あっと言う間に下半期も終わってしまいそうなので、自分のまとめ用にも忘れないうちに。
上半期は、新作で惹かれた映画の、なんと少なかったこと。 逆に普段以上に好きな監督やジャンルの映画を、より多く映画館で観ることが出来て実り多き時間を過ごせました。 いつも通り、パソコンなどで観たものではなくて、あくまでも映画館で観た映画をキーワードでまとめています。 *クラシック映画のエレガントさ いつも以上にイタリア映画との再会が多く、あらためてその世界に惹かれました。 ヴィスコンティ、パゾリーニ、ミケランジェロアントニオーニなど。 *日本の古き良き映画万歳 先日、小津映画について書きましたが、同じ回顧シリーズで他にもみました。 中でも、10年以上ぶりで観た今村昌平監督の"楢山節考"は、今の年齢で観たせいか、凄い映画だったなあ、と感動。 今回はフランス人に囲まれてフランスで観た訳ですが驚いたのは、公開された同年1983年に、この映画はカンヌ映画祭でグランプリのパルムドール賞を受賞していたこと。 当時の知識での中で、異国のおば捨て山と言う残酷、野蛮で奇妙な物語に、パルムドールを与えたフランスもすごいな、と。。。 そのリアルな姿こそ、人生、とも言える映画ですが。 *新作と再上映の中での光 サルサから興味あるキューバを舞台にしたオムニバス映画、ミニシアターでのみ上映で、評判はいまひとつ、でも私はとても気に入った映画。パリジュテーム、と言う映画のキューバ版といったところ。7人の監督がキューバを舞台に人々の生活や愛を描いている。 ジェーンエアーは、ご存知の名作。文句無しでC'est beau!!!(美しい‼)。映画化は何度かされているけれど、今回の配役は凄く良かった! イタリア映画のアモーレ。公開は去年だけれど、多忙時期と重なり見逃していた映画。 これも凄かった。。貴族の家庭の主婦が、息子の友人に恋をし、最後は身分や家庭を全て投げ捨てて息子のような年齢の男性のもとへ行く、と言ってしまうと簡単だけれど。 この結末はヨーロッパならでは、と感じる。 成熟した年齢の女性のほうが魅力ある、と言う認識、、、日本では現実離れしているように思われる結末かもしれません。 *番外で、フランスの美しいアニメーション 半期に一度くらい公開される、フランス製作のアニメーションフィルム。 日本の切り絵のようでもある、独特の世界。色合いやイラストも美しくて、大人が観ても現実を忘れさせる綺麗さ。実際、フランス人も大人同志でも観に来ています。 日本のアニメもいいけれど、こんな映画も是非日本の子ども達に見せてあげたいな、と観る度に思います。 もうひとつの番外は、何故かウッディアレンだったこの春。 彼のドキュメンタリーフィルムを観たら、若い頃のデビューは、まさしくひょうきん族のたけしさんのようだった、と言う発見があったり人生そのものがドラマな、女性遍歴など、映画より興味深かった。 仕事場の真ん前で撮影が行われていたので観たフランス映画にウッディアレンが出演した映画は、、まーったく話題にならずに一週間で打ち切り、笑。でもいつも歩く通りを映画で楽しめた。 普段着のフランス映画、例えばジュリエットビノシュやソフィーマルソーなどが出演しているロマンティックコメディなども合間に観たのですが、最近は何だか新作は料金に対して映画の価値が、、と思ってしまうほど特筆すべき事がないものばかりでした。とても気になったもので観ることが出来なかった映画は、海外の映画でしたし。 上半期、ひとつずつ書いていると長くなるのでこれでもまとめたつもりですが、お付き合い下さってありがとうございます。 下半期は繁忙期だから、いい映画の上映があっても中々観に行けなかったりする時期ですが、出来る限りまたいい映画を映画館で観たいものですね~。
by 40ansparis
| 2012-10-13 23:15
| cinema
|
Comments(18)
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akicosmosA at 2012-10-14 04:10
ラパンさんらしい映画を楽しんでいますね。
ジェーン・エア原作も好きで何度か読んでいますがさ最新のこの映画 日本でももう上映されておわったかな?レンタルされたら観てみます。 今村昌平監督の映画はちょっとて苦手ですがケーブルテレビで放映されるとついおつい観てしまいますが海外での評価高いですね。 ウッディアレン私何気に好きな監督です。北野さんと似てるウッディアレン~いいなあって感じ♪ ドキュメンタリーフィルムこれ観たいです。 私ブログの横にある*PARIS JE T’AIME*この映画好きなんですがニューシネマパラダイスは何度観たことか(笑) 昨日は邦題 最強のふたりを観てきました。 笑いとホロリ・・楽しく観てきました。最初は利害でも自然に心が結びついていた交流は環境も教養もどうってことないピュアな関係でなかなかいい映画でした。 映画のお話を聞くのは大好き♪ええ聞いていただくのも~** また次回を楽しみにしています。
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kanmyougam at 2012-10-14 14:09
こんにちは。パリの便りが見られるように成りました。
ありがとうございます。 鹿児島の田舎暮らしで国内の新作もましてや外国の映画の鑑賞はままならない現状です。 「楢山節考」を読んで映画になってイメージが違っていたように記憶していますが。 映画はそれなりに強烈なインパクトがあったように思います。 沢山名画に接する機会が多いのを羨ましく思います。 北野作の最近作まだ見ていません。 ツルの渡りの時期ですがまだ飛来してきません。
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くま
at 2012-10-14 20:01
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映画、いいですね。
私もティルダ・スウィントンが出ている映画、気になりながら見逃していました。見ごたえがありそう。 つくづく、古い映画が映画館で観られるっていいなあと思います。 日本も見習ってほしい、今すぐに! 個人的には「クレイジー・ホース」の映画を観たくてうずうずしています。 観た人は、あまりにもきれいで幻想的で生を観に行ってみたいと言ってました。
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40ansparis at 2012-10-15 00:26
こすもすさん、邦題の最強のふたり、あれはフランスでは社会現象になるヒットでした。主役のフランソワクルぜ氏は、私、何度かカフェでお見かけしていていますが、とても自然で感じがいい方です。
ジェーンエアーは、実は私3回も観に行きました。もう映像の素晴らしさ、主演の二人が良くて、分かっているストーリーでも毎回感動でした。キューバ版のオムニバス映画は、多分好き嫌いがはっきり分かれる映画です。フランスとでさえ違和感ある、キューバの庶民の生活レベル、と言う背景がありますから、、。 ウッディアレンは、以前も書きましたが、私は特別好きではないのです。ただ、この春は何故か彼の映画ばかり続いていて、新作は別に、、と言う感じでしたが、若い頃の初期の作品に深いものがあり、なかなか良かったです。日本ならではの映画に出会った際には是非また教えて下さいね。
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40ansparis at 2012-10-15 00:31
kanmyougamさん、私もまた繋がってホッと致しましたよ。
楢山節考、これももしかして原作の方が数倍凄いのですか?機会があったら是非読みたいものですね。 今はインターネット、パソコン、DVDなどでいくらでも映画は観ることが出来る時代ですが、映画館もミニシアターが沢山あるパリなので、とても恵まれた環境だと私も思っています。 北野最新作、イタリアのベネチア映画祭では好評だったと聞いています。観たいですね~。
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40ansparis at 2012-10-15 00:37
くまさん、ティルダスウィントンは、存在感がありますよね?映画によってはかなりボーイッシュに見えたり。この映画には長期で構想や企画にも携わったらしいのですが、彼女の透明感と役のリッチな家庭の奥様の設定、ミラノの風景、どれも美しくて、潔く、激しい、凄い映画でした。彼女のような存在は稀ですよね。
クレイジーホースの、そういえばありましたね、パリでは全く話題にならずに公開が過ぎていました。ま、本物があるせいでしょうか、、フランス人は日常を描いた普通の映画を好むからかもしれませんね。
バンクーバーは映画人口が少ないようで、公開直後に行っても館内はまばら、ダウンタウンの中心にある映画館も閉鎖予定なのです。北米ではiPadや自宅のホームシアターにダウンロードして個別に見る環境が多いのでしょうね。ラパンさん同様、やっぱり映画館でじっくり見るのは感動がひとしおですね。
個性的な映画の数々、カナダでも観られるかチェックしてみます♪
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40ansparis at 2012-10-15 06:18
Cecileさん、そうなのですか~?フランスは、日曜日などは商店も閉まっていますし、映画やテアトルへ行ったりする人が非常に多いです。パリは特に映画館が沢山、新しい所からミニシアターまで、凄く多いので、自分の時間さえ確保出来ればいくらでも観る機会に恵まれますよ。確かに今はi Pad何かでお手軽に安く観る事が出来ますからね。パリでも流石に集客数は落ちて来ているらしい、とはききますけどね。
数より質のこの上半期で、手当たり次第に観なかった代わりに、古い映画や良かった映画は同じものを2,3度観ました。
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yumibag
at 2012-10-15 08:54
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ジェーンエア 中学生の頃だったと思います 私も大好きでおこずかいでパンフレットも買った記憶があります
最新のものも 見てみたいですね~
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kanafr at 2012-10-15 11:09
まあ、アヌーク・エ―メですね。
フランスに住み始めた頃、友人に連れられてカンボンのシャネルに行った時この方がいました。本当に見事な存在感のある美しい方でした。今はもうかなりのお年ですよね。...って自分もかなり年を取った事を考えれば当たり前ですが..(苦笑) 楢山節考って確か緒形拳が出ていましたよね、これもフランスに来てTVで見ました。緒形拳の演技がよかったという事を覚えています。
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満月
at 2012-10-15 23:39
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こんなにも素晴らしい昔の映画の数々を、未だに劇場で堪能出来るなんて羨ましい。私も映画は映画館、見逃したら名画座、最後の手段がDVDです。でも残念ながら名画座は衰退の一路を辿っており、どんどん閉館されています。
アモーレのティルダ・スウィントン、身に付いた豪奢さとゆとりが自然に醸し出されていて、見る側も自然に映像世界に入って行けました。只の美人女優では成金的で浅はかな印象だけを与えてしまいそう。邦題は「ミラノ、愛に生きる」で一瞬迷ったのですが、観て良かった一本でした。 英米では外国映画のタイトルはストレートに訳す場合が殆どですが、フランスではどうなのでしょう? 日本は却ってかな〜り昔の映画の方がセンスの良い、気の利いたタイトルが多かったような気がします。
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40ansparis at 2012-10-16 06:30
yumibagさん、ジェーンエアーは誰でも知っているクラシック文学ですが、今回の映画化されたのは非常に良かったです。アメリカ映画でこんなに惹かれる新作は久しぶりでした。ジェーンオースティンとかこの辺りの時代もの、好きなのです。映画化されると、この時代の、特に男性のスタイルが好きでして。
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40ansparis at 2012-10-16 06:37
kanaさん、アヌークエーメは最近でもごく普通の映画に出ているのをたまに拝見しますが、あまり最近はだからと言って話題になりませんね。。でももちろん存在感たっぷりです。若い頃にお会いになったなら、さぞかし綺麗だったでしょうね!このLolaと言う映画の後に次々と、よく知られるヌーベルヴァーグの傑作が公開されていると言う年の映画なので、フランス映画が一番魅力的だった頃の映画なのです。それに比べたら最近のフランス映画で、本当にいい映画の少ないこと。フランス人の映画好きなお客様とお話しても、やっぱりそう感じているようです。そうそう、緒形拳さんが演じています。素晴らしい俳優さんだったなあ、と見ながら思いました。
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40ansparis at 2012-10-16 06:47
満月さん、日本の名画座が消えていくの、寂しいですね。私も学生時代、仙台で過ごしたのですが、やはり名画座がいくつかあって通いました。そのお陰で沢山の古い名作やフランス映画に出会うことが若いうちに出来ました。名画座こそなくさないで欲しいです。新作はすぐにDVDで発売されるのだから。
フランスでも、基本的にはそのまま直訳のフランス語にすることが多いと思いますよ。アモーレはそのままでした。フランス語でもアムールであえて変えなくても意味が分かるからででしょうけれど。アムールと単語だけのインパクトは、まさにフランス人が情熱や激しさを感じると思うので、長くせずこれで正解だと思いますね。それにしても邦題、、、ダサいですね、笑。ハリウッドの映画でも原題にないのに、すぐに"恋するxxxx"とか付けている邦題を見るとがっかりしますよね、笑。
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fuki
at 2012-10-16 13:55
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いい映画、ご覧になっていますね。
あー、いいなぁ〜。 ウディ・アレンの感じ、わかります。私も好きではないですが、たまにグイッとはまる作品もあったりします。でも器用で多彩な人なのだな、と思っています。映画万歳!
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40ansparis at 2012-10-17 07:38
fukiさん、ウッディアレンのドキュメンタリー映画、彼の映画より彼の人生の方がドラマティックで面白かったです、笑。
多彩ですよー。若い頃の出発は、コメディのゴーストライター、そして自らお笑いのコメディアン、そして映画俳優の端役、そしてやっと自ら監督となって監督デビューです。初期の作品、マンハッタンやアニーホール辺りの方が、セリフも映像も研ぎ澄まされていたように感じましたね~。
こんにちは。
大変、ご無沙汰しています。何時もながら、すてきに文化的な暮らしをされていて、こちらにうかがうと刺激をいただきます。 せっかく、何でもいっぱいある東京に住んでいるから、映画ももっと見に行かねばですね。見たいと思いつつ、流してしまっていること多々です。 フランスのアニメーション、美しそうですね。日本では見られないのかしら。調べてみます。
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40ansparis at 2012-10-17 15:39
カトウさん、私の方こそご無沙汰しています。自分の観たい映画を観ているだけなので偏った見方だと思いますけれど、映画館で好きな映画を観る感動が、この上半期は沢山ありました。東京も結構ミニシアターが頑張って小さな良い作品の上映をしているようなので、たまに驚いています。
このフランス発のアニメーションフィルム、是非ご覧になって頂きたいです。 まるで夢の中に舞い込んだような、、普通のフィルムを見るよりもずっと心の疲れにも効くのではないか、と思うので疲れている人の多い忙しい東京の人々に観て頂いたら、とも思います。姪っ子達にこんな綺麗な映像見せてあげたいわあ、と毎回思うのです。
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