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2011に出会った本

この秋冬は、あまりに仕事が忙しく、休日はたまにはあったものの、疲れきって起き上がれないことも
しばしばでした。
いくら大好きな映画と読書でも、疲れすぎると、観たり読んだりするパワーも出てきません。

秋冬よりも、そういう意味では2011年は夏のバカンス明け辺りまでが一番本を精力的に読んだ気がします。

読んだ本全部の感想や、ベスト10を書くのは不可能なので、年が明けた今でも印象に残っている本の一部を
自分の記録用にまとめたいと思います。

あらたに出会った作家もいて、収穫の年でしたが、その合間に平行してあらためてデュラスを再読してみたり
しましたが、久しぶりに読んだら、そのシンプルで詩的なフレーズに感動しました。
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季節はずれの写真ですが、、、、。
感動するとともに、感じたのは、、、、、デュラスのような詩的なフレーズだと、日本語に訳した場合果たして
必ずしも感動するかしら?ということ。
日本語で最初からこれが発行されていたら、、、、果たして評価されるのだろうか?とも感じました。
やはりこれはフランス語ならではの、デュラスの文体だからこそ、、、かもしれません。

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バカンス前の雑誌でのオススメ本、などを見て出会った作家たち。
これがとてもいい出会いでした。

Philippe Labroはメディアでも活躍するムッシュウ。文体が私、とても気に入り、読みやすかったので
続けて他にも何冊か読みました。

そしてIrene Nemirovsky、この女性作家はユダヤ系ロシア人でフランスへ移民として両親とやってきた
移民家族ですが、彼女自身はフランスで育っているのです。そして時代がちょうど戦争時。
ユダヤ人迫害の犠牲となって、アウシュビッツで亡くなっている、特殊な経歴を持つ人。
亡くなってから、作品が評価された女性なのです。
この作家の文体は、ちょっと難しい時もあるのですが、とても気に入ったので今も一冊ずつ読み続けて
います。

よく行くすごく近所の小さい本屋さんをしている高齢マダムが薦めてくれた本は、ちょっとしたサプライズ
でした。
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購入した時に私が読んでいた、読みやすい人気作家のポッシュを見て、マダムがひとこと、
「その今流行っている作家なんかより、ずっとずっとこっちの方が文章が文学的でいい本よ。」

"Un tres grand amour" (ある大きな愛) という本。
読んでとってもよかったし、文学的、という表現から難解な本かな、、、と思っていたら読みやすかったので
感想とお礼をマダムに後日伝えました。

そしてこの作者、、、実は私がよくテレビで観ていた、新刊本の批評、紹介番組の司会者のムッシュウ
でした。政治にも詳しい、難解な本の批評などを難しい顔をして語っている普段の彼から、愛についての
小説をイメージするのは難しかったし、文章が優しく繊細だったので、私は驚き。。。。

お堅いイメージがあったので、びっくりしてそれをマダムに言うと、マダムはふふっと笑って
「彼も、男なのよ、ふふっ」と、ひとこと言いました。

この辺が、80歳くらいのマダムですが、やっぱりフランス女です。。。。。

新しい作家との出会い、、気に入った作家の本を読み進めていくうちにますます気に入ったり、、、、
こんな小さい読書での出会いも、また今年やってくるといいな、と思っています。
by 40ansparis | 2012-01-03 12:50 | 本 livre | Comments(16)
Commented by fuchsia24 at 2012-01-04 07:32
あけましておめでとうございます。
今年もまた宜しくね。
またそちらにカヌレを買いに行きたいなぁ。。。

マダムに薦められた本が、そんなによかったとは!
フランス語を読む気力なしの私、尊敬してしまいます。
Commented by whitelacenonyo at 2012-01-04 07:47
明けましておめでとうございます。(少し遅刻)
今年はおめにかかれそうで楽しみです。
ご近所の本屋さんと言葉を交わす!それもお勧めの本を。
高齢のマダムが!
こういうことに今は驚く私です。近所に本屋がありますがレジでお金を払って無言で帰ります。
先ず本屋が大きすぎる。店員はアルバイト、、、人間的な買い物が薄れて、、、いきます。
Commented by hanaji-xxx at 2012-01-05 01:36
あけましたね、おめでとうございます!
相変わらず食べて飲んで食べて飲んで何だか忙しく、、、気がつけばもう4日でした(>_<)
日本も寒くて夜になるといつも震えています。あたしもエスキモーになりたいです。笑

今年もよろしくお願いします^^
Commented by societebonne at 2012-01-05 20:03
新年ですね。今年も楽しみに読ませていただきます。
本屋さんのかたに、本を薦められて本を買う、なんてすてきなことなんでしょう! そんなことができる本屋、今の日本にあるでしょうか……。売る側と買う側が話をしながら買い物ができる、それって本当に贅沢なことになってしまった気がします。でも、そんなお店で買い物をするようにしたいものです。カトウ
Commented by neige_neige at 2012-01-06 06:10
BONNE ANNEE*
明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします*
ラパンさん、尊敬〜!
最近忙しさにかまけて、フランス語どころか、日本語での読書も
怠っていたので、今年の目標の中に“読書の時間を増やす”を
入れました。笑 
本を選ぶ時は ここを覗いてから本屋に行こうかな〜〜・・・

Commented by 40ansparis at 2012-01-06 06:27
Fuchsiaさん、明けましておめでとうございます。お忙しいのに有難うございます。近くにいらしたらお持ちするのにね、、、。
私は活字が好きなので、不思議と苦にならず、むしろ楽しんでるんですよ。
Commented by 40ansparis at 2012-01-06 06:32
Whiteさん、この本屋さんはキオスク程度の小さい書店でお婆ちゃんマダムが一人で切り盛りしてるんです。うちのホントにすぐ下にある、と言う位近いので、休日など必ず新聞や情報誌を買いに行きます。フランスは、小さいブティックが多いですし、フランス人も新聞やクロワッサンだけ買うのにどれだけしゃべるの?と言う位会話が多いですよね。いろんな他の話もするんですよ。
Commented by 40ansparis at 2012-01-06 06:34
真理さん、明けましておめでとうございます。日本も一気に寒くなっているようですね。パリは去年と違って気温が今のところ割と高めなのでまだ、エスキモーにならずにすんでますよ、笑。
今年もダイアリー楽しく拝見しますね!
Commented by mimijean at 2012-01-06 06:39
*らぱんちゃん、わたしもNEIGEさんと同じで、フランス語どころか、日本語の本も怠り、買っても、山積み状態!笑

詩は、やっぱり日本語に訳さない方が断然いい!日本の本でも、同じこと言えるよね。
こういう時に、フランス語ができてよかったと思えるよね。
LES EDITION DE MINUITって、装丁が私好きなの。本も読まないといけないんだけど。。。そういうことばかりに目がいく。笑
Commented by 40ansparis at 2012-01-06 06:46
すみのさん、かとうさん、フランスはまだまだそういう意味では人間臭いコミュニケーションが多いですよね、、と言うよりも避けて通れない気がします、笑。日本のレジも、スピーディーで気持ちよくお買い物は済ませられるけれど、お客様を待たせない様に、とコミュニケーションがなくなったり、挨拶の言葉もロボットみたいになって来たり、、。私も楽しみにまた今年も伺いますね。
Commented by 40ansparis at 2012-01-06 06:50
Neigeさん、Bonne Année !! 明けましておめでとうございます。
尊敬だなんて、大げさです〜。本当に私は、活字中毒で、、、笑。
仕事を離れて、時間を気にせずにの~んびり本をカフェの雑踏の中で読むのが、私には最高のひとときなのです。私って単純、、。
Commented by 40ansparis at 2012-01-06 06:54
Mimiちゃん、私も同感よ!minuitのエディションが選んでる作家も個性あって、他のエディションとは匂いが違うよね。
小説よりもそうね、詩の方がもっと元の言語の方がいいね。日本語の微妙な言葉も、逆に外国語には訳せないもの、あるものね。
Commented by sahobo at 2012-01-06 20:55
明けましておめでとうございます!!
最近フランス語の本もやっと読めるようになってきて、今年はどんどん読もうと思っていたところなので、さっそくタイトルをメモしちゃいました。
ただスイスは本もフランスに比べるととても高いので、図書館で借りるしかないかなぁ。(去年は本の値段の高さが新聞で騒がれたりしていました)
私も活字中毒なので、日英仏語とますます活字にどっぷりはまりそうです。(し、幸せ・・・笑)
今年も大好きなパリ、パリの空、映画に本にお菓子に・・・・とブログを楽しみにしていますー。
Commented by 40ansparis at 2012-01-07 19:08
sahoboさん、明けましておめでとうございます。
私が読んでいるのは、割とかたよっていると思うのですが、ご参考になれば嬉しいです。
フランスも紙は高いですよね。ノートとか。本はポッシュがあるからいいですけれど、、、。あとは、ブックオフのフランス語本のお店がとても安く手に入ってたまに探しているタイトルがちょうどあると購入したりします。
同じ活字中毒ですね(笑)。でも日仏の他に英語まで!すごいです。。。
私はこの2ヶ国語で精一杯で、、、。それでもまだまだ読みたくて読めてない本がたくさん。
そうそう、昨年秋のルイ・ガレルくんの新作はご覧になりましたか?私、その映画を観た直後に、偶然街ですれ違ったんですよ~!!すっごく素敵でした♪
今年もよろしくお願い致します。またゆっくりとそちらに伺いますね。
Commented by ihoko at 2012-02-25 15:46 x
はじめまして、ごきげんよう。Whiteさんからご紹介いただきました本のお話から、そこにリンクしてあったこちらにお邪魔し、サラの鍵の文体について どなたかにご説明されたコメントを拝見して、カテゴリーの中にあった<本>を読ませて頂きました。
>感動するとともに、感じたのは、、、、、デュラスのような詩的なフレーズだと、日本語に訳した場合果たして必ずしも感動するかしら?ということ

こちらに来て(私イタリア在住です)原書と日本語に訳された物を読み比べてみて同じような事を感じる時が多々あります。特に詩的なものなんですが・・。ただ、話は変わりますが、私ノルウェイの森、最初にイタリア語で読み次に英語で読み、最後が日本語だったのですが、イタリア語や英語の方が日本語よりストンという感じで入って来たんです、村上氏は英語にご堪能なので英語で文章を書く事を念においておられるからなのかな?とも思ってみたんですが、不思議でした。
Commented by 40ansparis at 2012-02-27 19:16
ihokoさん、読んで下さりありがとうございます。はじめまして。
どこかで目にしたお名前、、と思ったら、そう!whiteのところのコメントで拝見したのでした。
イタリアにご在住なのですね。やはり同じように感じますか?村上春樹氏がフランスでも人気があるのは、そういうことなのかもしれませんね。
海外在住だったり、現地の言葉が堪能だと、確かに思考回路が日本語頭じゃなくて、英語頭になるから、フレーズが自然にそうなるのかもしれませんね。
私は、和訳で難解に感じたカミュの「異邦人」が、フランス語で読んだら
す~っと入ってきたんです。その時、これは和訳の仕方だわ、、、、と
思いました。
私も本が好きなので、他の方のブログでカテゴリーに「読書」とか「本」というのを見つけると、そこから拝見するんですよ、笑。
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