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Michel Petrucciani : 偉大なるフランス人ジャズピアニスト

1999年に逝去した、フランス最高のジャズピアニストと言われる、ミシェル・ペトロチアーニ。
彼は、フランス人で初めて、アメリカ最大のジャズレーベル、ブルーノートと契約したピアニストで
身体障害者、、、でもリリカルで繊細なピアノを弾くピアニスト。

20代初めからジャズを聴いていた私でも、知っていたのはその程度。アルバムは一枚持っています。

彼の友人が、彼の人生を追って撮影した貴重な映像と、周辺の人達のインタビューを交えたドキュメント
映画を観ました。また、すごい映画に出会いました。
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生まれた際に、既に身体中の骨が折れた状態で産まれてきたミシェル。
ガラスの骨と言われ、極度にもろい、骨生成の難病を抱えていた彼は、成人になっても1mほど。
常に松葉杖で歩くか、他人に抱えてもらっての移動。

そのため、小さい頃から演奏者だった父の影響もあって、ジャズを聴き続けて、ピアノに夢中になる。
3歳でジャズヴォーカルを歌ってしまい、7歳でジャズピアノを演奏するほどになり(しかもかなりの腕前)、
13歳でプロのトランペッターと共演。
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彼は20代にして、障害を抱えながらもアメリカへ渡る。ちょうど時代は、スタンダードジャズ全盛期。
そのハンディキャップと裏腹の、力強いピアノプレイに、たくさんの賞賛を受けて、とうとうNYジャズクラブの
殿堂、ヴィレッジ・ヴァンガードまで招待される。

私は20代初めに出会った人達が、何故かみんなジャズ通な人達だったため、自然にジャズに夢中になり
あらゆるジャズを聴いて、もちろんブルーノートの彼の存在は知ってはいたものの、実際にあの身体で
全身のエネルギーを使ってピアノを弾く「動く彼」は初めてこの映画で見たけれど、
骨の難病を持つ人とは思えないほどの、力強い演奏にびっくり。

ピアノの専門家がインタビューで驚きながらこう言います。
「あんなに力強い演奏だけれど、彼の指には力が入っているわけではなくて、ものすごくしなやかなのだ。
信じられない位にしなやかで柔軟だからこそ、普通の人の10倍の速さで指が動く。。。。だから誰にも
真似できないのだ。」
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とは言っても、彼専属のドクターのインタビューで信じられない事実を私たちは聞くことになる。

いくらしなやかでも、彼の病気はもろい骨。ダイナミックな演奏をこなしながら、実は彼の指や腕や肩の
内部では常に骨折している。骨折しながら、痛みを伴いながら力強い演奏を続ける彼。
ひとつコンサートが終わると、いくつかの骨折状態を抱えてドクターのもとへやってきては治療する。

精神的に強い、だけではなくて、映画を観ると、彼が超ポジティブな人なのが分かる。
彼のインタヴューでは必ずジョークやユーモアがある。

自分のハンディーキャップについて、聞かれた時、インタヴュアーに対して
「Handicape? Moi? ou Vous? Vous aussi vous avez beaucoup de probleme, non?
C'est pas loin de ca......Je sais que je suis different que les autres......Tant mieux!!!」
(ハンディキャップ?ボクのこと?あなたのこと? あなただって、一杯問題抱えてるでしょ?笑。
 それとたいして変わらないよ。 みんなとボクは違う、っていうのは知ってるけど、違って良かったよ!!)

彼はその上、フランス人らしく?3度も結婚しているんです。他にも恋多き人だった。彼自身が何よりも
チャーミングな人柄だったから、男女関わらず友人が多かった。常に何でもチャレンジしてみた、という
前向きな人。
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映画で動く彼を観てから、あらためて彼のピアノを聴いてみた。。。。胸が締め付けられるほど、感動。。。
鍵盤を叩く指の強さ、、彼自身は、その時骨を折ながら演奏し、激痛が走っていたなんて。。。。。。

彼は極寒のNYで1999年に38歳で亡くなり、今はパリのペール・ラシェーズ墓地でショパンのお墓の近くに眠っています。

彼の映画を観て、、、さらに私はジャズに出会った頃のことを思い出し、その頃に通った中古レコード屋さんや
古くて暗いジャズ喫茶に思いを馳せました。。。。
今でも、一番心和むのはジャズ。といっても自分の耳心地がいいものに限って今は聴いていますけど。

仙台のジャズ喫茶、カウントはまだ存在しているのかしら??
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by 40ansparis | 2011-09-23 11:58 | cinema | Comments(12)
Commented by mimijean at 2011-09-23 19:57 x
*らぱんちゃん、この映画、みたいわ~。
音楽大好きだけど、ジャズとフュージョンだけは、私にはなぜか肌に合わないから、殆ど聴かないな。80年代後半から、90年代にかけてブルーノート全盛期で、ジャズはやったけれど、大分あとに1度くらいしかブルーノートには行かなかった記憶がある。でも、MICHELの伝記的な映画なら、観てみたいわ。
彼、イタリア系なんだね。フランスでも、すごく評価されてたね。
身体にハンディがある人は、それがあるから、違う部分で力を発揮しようと頑張るんだよね。偉いよね。
Commented by トミミン at 2011-09-24 00:19 x
この方を初めて知りました。
読んでいて胸がいっぱいになりました。
世の中にはハンディキャップを物ともせず、前向きに頑張っている、或いは人生を楽しんで生きている方がたくさんいらっしゃるんですよね。
短い人生だったかもしれないけど、とても濃密ないい人生を過ごされたんじゃないかと、偉そうですがそんな風に思います。
なんだか自分がすごくちっぽけに思えます。

Commented by 40ansparis at 2011-09-24 03:39
mimiちゃん、興味湧いたなら、一緒に今度行く?私は可能なら、もう5回くらい観たいと思ってるところだから(笑)。私はフュージョンは嫌いなのよ。それにジャズっぽい、っていうのも嫌い。こてこてのスタンダードが好き。私もジャズクラブはたくさん仙台時代に行ったけれど、東京でブルーノートは一回しか行ってないわ。だって料金が高すぎるもの!
ブルーノートのシリーズはほとんど全部持ってた。でも次第に自分の好みが限られてきて、結局ピアノトリオか、ピアノソロが一番かな。時間が合うときに行こう!いいピアノだよ、、、彼の音色は。泣けてくるよ。
Commented by 40ansparis at 2011-09-24 03:41
トミミンさん、ジャズが好きでもこの人を知っている人は少ないんじゃないかしら。。。やっぱりもっと有名な人達がたくさんいますし。でも、機会があったら是非聴いてみて欲しいです。ピアノですし、そんなに彼のアレンジは難しいジャズではありません。彼と一緒にお食事するときや和む時にかけるBGMとしても、とても綺麗で聴きやすいと思いますよ。
五体満足な自分がくよくよしているのが、恥ずかしくなりますね。。。
Commented by mimijean at 2011-09-24 04:25 x
*lapinちゃん、今日は、ありがと。
じゃあ、時間あわせて、行こう!たのしみ。
いつまで上映してるのかしら?
また、連絡しあおう。わたしは、来週の展示会4日以外は、いつもと同じ休みだよ。
Commented by 40ansparis at 2011-09-24 05:28
Mimiちゃん、じゃ、上演時間調べてみるね。小さいとこでしかやってないけど、もうしばらく続くと私は思ってるんだけどね。連絡するね。
Commented by celine at 2011-09-24 12:13 x
こんにちは。
台風が去って、ようやく秋晴れの東京です~。
ラパンさんとは、音楽の趣味も合いますね♪
ペトルチアーニは、大好きなジャスピアニストの一人です。
初パリの時にも、シャンゼリゼの Virginで彼のCDを見つけて、思わず購入。
でも、彼がフランス人だと知ったのは、その数年後。ジャズギタリストのお父さんとのデュオのライブCDで、
ペトルチアーニがフランス語を喋っていたから(笑)
そうか、あのリリカルなアドリブフレーズは、フランス人だからなのかと、勝手に解釈しました。
でも、痛みをこらえながら演奏していたことは知りませんでした。
この映画、日本で公開されるでしょうか。ぜひ、観たいです!
Commented by 40ansparis at 2011-09-26 07:21
Celineさん、ご存知とはさっすがですね!そう、以前もピアノやドビュッシーの事で話が合いましたよね。
リリカルな彼の弾き方は、ビル・エヴァンスと同じ匂いがする、とずっと思っていたのですが、この映画の中で彼が、ビル・エヴァンスが一番好きと言っていたのでやっぱり!と納得しました。
痛みをこらえる、というよりは、彼自身の言葉によれば、痛みよりもピアノを演じたい魂の方が強い、んだそうです。フランスでも小さい映画館で時間も限られていて、そんなに人は入っていませんでした。日本で、、、東京で上映されるとしたらシネ・スイッチ銀座あたりでしょうか、、、。
Commented by mimijean at 2011-09-27 04:57 x
*家に着いて、即、ここにみに来てしまった。
なんだか、この映画、表現できないような感動があった。ほら、ご飯を人に食べさせてもらっても、ピアノは弾く。。。何をそこまで、ジャズは彼に魅了させてのだろうか…と、考えながら観ていたよ。
「 je suis different que les autres......Tant mieux」…これも沢山考えさせられた言葉でした。
彼のドキュメンタリー見つけたよ。40分ほどあるよ。
http://video.google.com/videoplay?docid=-1172784483135614308
*れいのぶつは、ヨーグルト入ってるから、明日の朝位には冷蔵庫に入れたほうがいいよ。
Commented by fuki at 2011-09-27 18:03 x
みたいわ〜これ。日本でもやるかな。
Commented by 40ansparis at 2011-09-27 18:45
そうよね、、不思議よね、お母さんが必死にクラシックピアノをさせたくてさせても、本人の本能的な好奇心が自然とジャズに傾いてしまう、、、全然タイプの違うピアノだからね。それに遊び心がないとジャズのアレンジは弾けないからね。。。感性がすっごく研ぎ澄まされているんじゃないかな、、、。アレンジのセンスが何よりも好きだなああ。。。
あれ、ありがとね!美味しく緑茶と早速今朝頂いたよ!優しい甘さだった。。。ありがとう。
Commented by 40ansparis at 2011-09-27 18:47
fukiさん、彼は売れはじめた頃、日本へもツアーで行っているようです。ただ、、日本での知名度を考えると、、どうでしょうね。。上の方のコメントにも書いたのですが、東京で上映するとしたら、フランス映画の単館系を上映するシネ・スイッチとかでしょうかね。。
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